PC USERに掲載された11月(11月1日〜11月30日集計)の記事で、最も読まれたトップ20は以下の通り。メーカー各社から発表された「Ultrabook」の第1世代モデルや、タイ洪水の影響によるHDDの価格高騰、IntelとAMDの両陣営が投入した新型CPUの記事が注目を集めました。
インテルが提唱する次世代ノートPC構想「Ultrabook」は、薄型・軽量かつ高速起動、そして長時間駆動と、いかにも日本で受けそうなカテゴリでとても期待が高まります。東芝の「dynabook R631」やASUSの「ZENBOOK」、日本エイサーの「Aspire S3」、レノボ・ジャパンの「IdeaPad U300s」など、各社から第1世代のモデルがそろいました。
ただ、この種の製品はどうしても先達の「MacBook Air」と比べられてしまうので、「ふーん、で、キミは“なにAir”なの?」などと言われないような独自性が欲しいところ。とはいっても、実際に触ってみるとどれもきちんと作られていて、非常に魅力的であることは確かです。個人的には“Ivy Brige”世代のUltrabookまで待てずに、何か購入してしまうかもしれません。
ちなみに、8位に富士通の「FMV LIFEBOOK SH76/E」、12位に東芝の「dynabook R731/W4UD」がランクインしていますが、こちらはともに薄型・軽量ながら光学ドライブも搭載したノートPCです。もともとモバイルノートPCのカテゴリは日本が得意とするところだったので、国内PCメーカーの躍進に期待したいですね。
デスクトップPC向けでは、インテルの新世代CPU「SandyBridge-E」がデビューして、自作ユーザーの関心を集めました。一足先に投入されたAMDのハイエンドCPU「AMD FX」シリーズ(Bulldozer)との対比が浮き彫りになり、アキバのショップでは“AMDを自発的に応援”する動きも見られるようです(インテルの神様こと天野氏と、元AMDの兄貴こと土居氏がアキバでデモ合戦していたころが懐かしい……)。自作市場の活性化のためにも、AMDには“インテルのよきライバル”としてがんばってほしいところです。
ちなみに、LGA 2011ソケットを採用した(現行の)Sandy Bridge-Eにあわせて、「じゃあシステムごと一新しようかな」と考えている自作PCユーザーを悩ませているのがHDDの価格高騰。HDD製造拠点のあるタイが洪水に見舞われたことで、一時はアキバで販売されているHDDの価格が毎日じりじりと上昇する事態に。現在はだいぶ落ち着いていますが、それでも洪水前の価格を知っていると購入をためらってしまうかもしれません。これを機にSSDへの移行(と低価格化)が進めばいいですが。
最後は個人的に注目したニュースを紹介。18位に入ったエプソンのヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)「MOVERIO」は、現実の視界に投写映像が浮かぶシースルー型という、いかにも“未来っぽい”ギミックで非常に気になるガジェットです。周囲の状況が確認できるため、屋外で装着しても怖くないというメリットがあり、将来的には本体にカメラとGPSを内蔵して現実のレイヤーにARを被せられるように……などと妄想が膨らみます。
有機ELを採用したソニーの「HMZ-T1」も入手するのが難しいくらい人気だそうで、「攻殻機動隊」や「Lain」を見て育った筆者は「ついにHMDの時代が来たか」と感慨深い気持ちになりました。満員電車の中で乗客全員がHMDをつけた風景が見られるのもすぐかもしれんなぁ、などと昔みた“未来”に想いをはせていたら、なんとコンタクトレンズ型ディスプレイというものまで開発されているようです。いつの間にか“自分の未来”が時代遅れになっているなんて……。
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