「そもそも、ほとんどの書類は1週間で用済みになるんです」
とブースのスタッフは語る。東芝では、1つの事業所でコピー用紙の利用形態を1年間調査したところ、“コピーした書類のうち9割は、1週間経過すれば読まれなくなる”ということが判明したのだという。
「コピーした書類は一応、机の上など手元に置いておく人が多い。再び読む可能性があるからだが、本当に読み返す気がある書類は大体ファイリングして収納している。9割の紙はあまり読まれないままゴミ箱行きです。この用紙を再利用すれば、紙の消費量は大きく減少する。9割近く減少するといっても過言ではありません」(説明員)
ブースで流れている製品紹介の動画に登場する消色装置と、展示されている実機は大きく異なる点がある。実機の方が、サイズが大きいのだ。技術的に小さくできなかったのかと尋ねたところ、ブースのスタッフは「その逆。最初は小さかったが、開発していく中で大きくなった」と答えた。
当初は、消色装置はゴミ箱程度の大きさを想定しており、プロトタイプもそのように作られていた。紙をゴミ箱に捨てるような感覚でリユースさせるという狙いがあったからだ。しかし、実際に会社に設置して実験を行ったところ、多くの企業から「このままでは使えない」という感想が出たという。
「最近、会社のゴミ箱が減っているのですが、車いすの人にとってはゴミ箱が支障になるというバリアフリーの観点からだ。しかし、消色装置がゴミ箱程度の高さだと、普通に歩く人にとってもじゃまな上、つまづく危険があった」(説明員)ユーザーテストで生まれた感想と反応をふまえて、複合機と同程度の高さとなったという。
オフィス内の設置台数については、「紙の消費に対する企業の問題意識で差がつくだろう。紙のリユースを進めようとすれば自然と台数は多くなるはずだ」とブースのスタッフは語った。
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