12月17日と18日に、ベルサール秋葉原の1階でユニットコム主催の自作PCイベント「2011 AKIBA PC-DIY EXPO 冬の陣」が開かれた。参加協賛をあわせて50を超えるブランドが一堂に集まり、この年末年始から来年に向けての新製品やソリューションをアピール。両日とも、厳しい寒さのなか、大勢の人が来場していた。
今回はインテルやAMD、ASUSTeKといった自作PCパーツを扱うブランドだけでなく、スマートフォン関連のアイテムやサービスを扱ったブースが多かったのも特色だ。会場スタッフは「コアな自作ファンからライトなデジモノ好きな方まで楽しんでもらえるかなと思っています。最近はPCパーツショップでも、スマホ用のBluetoothキーボードやケースなどを扱うことも増えていますし、わりとうまく溶け込んでいるかなと思います」と話していた。
実際、iPhoneとAndroid端末をコントローラーにして遊ぶテレビゲーム「AIWIゲーム」を紹介するAIWIのブースは終日大勢の人で賑わっていた。マイクロソフトも、Windows 7やOfficeとともに、Windows Phoneのローンチに力を入れており、独自のセッションを頻繁に行っていた。
自作PC界隈では、年を越えて影響が残る出来事もいくつか起きている。なかでも有名なのが、10月に発生したタイ洪水によるHDDの供給不足と価格高騰だ。今回ブースを構えた日立とシーゲイト、ウェスタンデジタルの3メーカーは、ともに影響の大きさを認める。ただし、ウェスタンデジタルの代理店担当者が「最悪夏ごろまで影響が残ることもあり得ましたが、少しずつ状況が改善しているので、ピーク時に“早ければ”と言われていた春には回復できる可能性が強まっています」と語るように、すでに混乱は脱した様子だ。
また、来年3月にウェスタンデジタルへHDD事業を譲渡するといわれている日立は、新製品外付けHDDシリーズ「G DRIVE」を展示するなど積極的にアピールしていた。譲渡については代理店スタッフが「譲渡に関してはクリアすべきいくつかの条件が残っているようで、まだ明言できない部分があるとのことです。それまではG DRIVEもそうですけど、普通に事業を展開していくと思います。いろいろと明らかになるのは来年3月ごろになるのでは」と話している。
こうした先行きが見えにくい状況ながら、シーゲイトは新たなHDDの活路を見いだすことに意欲を燃やす。同社のブースでは、1Tバイトプラッタ3枚で構成した3Tバイトドライブや、SSDと磁気ディスクを組み合わせたハイブリッドドライブ「Momentus XT」シリーズなどが目立つ位置に置かれていた。
同社スタッフは「タイ洪水の影響で、とにかく部品の供給が不安定になっているのが一番痛いところです。その回復を待っている間にもSSDの勢いは増していくと思いますが、弊社のMomentus XTシリーズのようなハイブリッドドライブをもっと浸透させて、それをHDD業界全体の活路にしていきたいと思っています」と熱く語っていた。
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