「HP Folio13-1000」は遅れてやって来た“Ultrabook™の本命”か美麗デザイン、確かな実力(1/3 ページ)

薄型軽量なモバイルノートPCが「欲しいけど高い」といった時代はもはや過ぎ去った。インテルが推進するUltrabook™は、ユーザーのPC環境をここ数年で一変させる可能性を秘めている。その第1世代製品として日本HPが投入した「HP Folio13-1000」は、優れたコストパフォーマンスが際立つ1台。もはやノートPC選びに妥協は不要なのか。

» 2012年01月31日 19時00分 公開
[ITmedia]
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HPが初投入するUltrabook™を徹底チェックする

日本HPの「HP Folio13-1000」

 世界標準のUltrabook™が、堂々の日本上陸だ。

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は、同社初のUltrabook™「HP Folio13-1000」を2012年2月2日に発売する。2012年PC春モデルの目玉機種ということもあり、発売前から高感度なPCユーザーの話題を集めている新製品だ。

 HPといえば、ワールドワイドでシェアNo.1、つまりこの地球上で最も多くの人に選ばれている“世界標準”のPCメーカー。その高いシェアを生かした世界規模の部品調達によって、ショップブランドPCなどにも対抗できる低価格でありながら、高性能・高品質も兼ね備えるという優れたコストパフォーマンスを実現している。

 もちろん、HPは日本でのPC展開にも積極的だ。国内でのHPは、デスクトップPCやワークステーションをわざわざ東京都内の工場で生産することで、高い信頼性や手厚いサポート体制を築いてきたほか、昨今は日本人のセンスに合ったスタイリッシュな製品群の展開や、AKB48を起用した大胆なプロモーションで一般の認知度も急速に高めている。さらに個人向けノートPCも昨年12月から東京生産を開始し、まさに“旬のPCメーカー”といえるだろう。

 そんな同社が初めて投入するUltrabook™のHP Folio13-1000は、こうした“HPのうま味”が濃厚に凝縮された薄型軽量ノートに仕上がっている。

 厚さ18〜20.3ミリの薄型フラットボディに、公称約9時間のバッテリー駆動、SSDの標準搭載による高速な起動やレスポンスといった高いモバイル性能を獲得し、13.3型とゆとりのある液晶ディスプレイやフルサイズキーボードも装備しつつ、直販価格で7万9800円にまとめてきたのだ。これはもう、驚異的なコストパフォーマンスというしかない。今回はその実力をじっくりと追っていこう。

※ 2006年10月〜2011年9月の出荷台数 出典:IDC, Worldwide Quarterly PC Tracker, Q3 2011

ノートPCのスタンダードは、Ultrabook™に切り替わっていく

 まずは、Ultrabook™という言葉をおさらいしておきたい。Ultrabook™とは、インテルが2011年5月末に構想を明らかにし、数年をかけてその進化を提唱していく新カテゴリーのことだ。

 既存のノートPCが持つ性能と機能に加えて、タブレット端末のハンディさを薄型軽量ボディに凝縮し、長時間のバッテリー駆動、高い応答性、高度なセキュリティ機能、そして普及価格帯での提供を目指している。

 HP Folio13-1000を含む現在のUltrabook™はその第1世代にあたり、CPUに超低電圧版の「第2世代インテル® Core™プロセッサー・ファミリー」(開発コード名:Sandy Bridge)を採用している。通常電圧版のCPUに迫る性能を持ちながら、熱設計電力(TDP)を通常の35ワットから17ワットに引き下げることで、高い応答性や長時間のバッテリー駆動、本体厚21ミリ(0.8インチ)未満の薄型ボディまで備えているのが特徴だ。それでいて、従来のモバイルノートPCに比べて低価格帯をキープしているのが新しい。

 Ultrabook™は一過性のトレンドではなく、インテルが3億ドル規模の「Ultrabook™基金」を設立し、2012年末までにコンシューマー向けノートPCの40%がUltrabook™に移行すると予測していることからも、その本気ぶりがうかがえるというもの。春の新生活を控え、これからノートPCを選ぶならば、今後の標準になり得るUltrabook™をまず検討してみてはいかがだろうか。

ミニマルなデザインの薄型軽量メタルボディ

フラットな薄型軽量メタルボディが所有欲をくすぐる

 さて、HP Folio13-1000に話を戻そう。HP Folio13-1000の大きな見どころ、その1つは洗練されたボディデザインにある。HPはかねてからノートPCのデザイン向上に注力しており、今では各社がこぞって採用しているフィルム転写技術による個性豊かなデザインパターン展開や、ファッションデザイナーとのコラボレーションモデルなどを率先して手がけ、PCデザインの新たな潮流を作り出してきたことは記憶に新しい。

 HP Folio13-1000の外観は1枚板のようにほぼフラットで、シルバーとブラックのツートーンを採用するといった、モバイルノートとしてスタンダードな装いだ。多彩な外装を模索し、一周まわってか、最近のHPはシンプルで上質といったコンセプトのデザインが増えている。一見すると普通に思うかもしれないが、いつまでも飽きの来ない普遍的でミニマルなデザインを意識しており、機能美の観点から細部までよく練られている。

 具体的には、ボディの素材として、天面とパームレスト面にアルミニウム、本体のボトム側にマグネシウム合金を採用することで、薄さ、軽さ、頑丈さ、そして高級感という持ち歩くノートで大切な要素を満たしている点に注目したい。

 特に天面とパームレスト面は黄みがかった落ち着いたトーンのシルバーで、近くで見ると、上品なヘアライン加工が一面に施されているのに気づく。天面とパームレストはユーザーがよく触れる部分で、人の目にもとまりやすいところだが、これらに触れる度に金属の上質な感触が伝わり、しかも表面は指紋や汚れが付着しにくいため、使い込んでも美しい外観を保てるだろう。

 一方、液晶ディスプレイのフレーム部と、本体側面から底面にかけてはマットな質感のブラックで構成されている。シルバーとのコントラストが薄さを強調しつつ、持ち運び時にはしっとりと手によくなじむ。

アルミの1枚板を用いた天面には、上品なヘアライン加工が施されており、光の反射によってその表情が変わる

定番色のシルバーとブラックで塗り分けたボディは、主張しすぎず、そこはかとなく高級感を漂わす

天面(写真=左)と底面(写真=右)。バッテリーは本体に内蔵され、着脱できない構造だ

その薄さと軽さには説得力がある

薄くフラットなボディは持ち運びやすく、バックへの収まりもいい

 持ち運び時に気になる本体サイズは、318.5(幅)×220.2(奥行き)×18〜20.3(高さ)ミリ、重量は約1.5キロだ(実測値もほぼ公称値通りだった)。13.3型モバイルノートPCとして標準的なフットプリントにおさまっており、ボディが薄くフラットなことから、ブリーフケースのような薄いバッグへの出し入れもしやすい。

 ここでノートPCに詳しい方は、Ultrabook™のメリットである軽さや薄さに目立ったところがないと感じるかもしれないが、特にモバイルノートの場合、軽さや薄さといった要素は、バッテリー駆動時間や堅牢性、放熱性とともに考える必要があるだろう。

 HP Folio13-1000の場合、公称のバッテリー駆動時間は約9時間(MobileMark 2007の結果)と、Ultrabook™ではかなりのスタミナを誇る。また、ボディ全体の剛性感が高く、急にバッグから取り出して天面の端を持って液晶ディスプレイをガバッと開けたり、使用中にパームレストの端を握って持ち上げて移動したり、といったシーンでも薄型ボディのたわみは感じられず、液晶ディスプレイのヒンジもしっかり固定されたままだ。放熱面では薄型ファンを内蔵しつつ、底面に吸気用スリットを設けてエアフローを強化しており、高負荷時でもユーザーの手が触れるパームレスト周辺は発熱しにくい。

 対して、むやみに薄さと軽さを最優先すると、とかくバッテリー駆動時間が削られたり、上記のような動作でボディがゆがみ、液晶がふらつくなどの貧弱さを感じる場面も少なくない。また、ボディが熱しやすくて長時間の運用や高い負荷がかかる作業では不快になることもあるだろう。

付属のACアダプタは小型軽量だ(写真=左)。電源ケーブルだけでなく、ウォールマウントアダプタが付属するため、携帯時には小さい後者を持っていくといいだろう。突起部を省いたACアダプタ本体のサイズは45(幅)×108(奥行き)×29(高さ)ミリ、ウォールマウントアダプタを含めた重量は299グラム(いずれも実測値)。電源関連では、節電に貢献する「HP ピークシフト」機能も搭載(画面=右)。ACアダプタ接続時の給電時間を設定しておけば、電力ピーク時にはバッテリーで駆動、ピーク時以外でバッテリーの充電を行うといった、節電運用が可能だ

 このようにHP Folio13-1000の薄さと重さは、性能に加えて、バッテリー駆動時間や剛性、安定動作にも気を配り、コストも含めてバランスを最適化した1つの結論なのだ。世界中のさまざまな人々が使うことを想定し、見た目と使い勝手の両面を追求した優れたボディデザインといえる。

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