先週複数のショップで目立っていたのは、Radeon HD 7000ファミリーの新モデル「HD 7950」を搭載したグラフィックスカードだ。初回から複数のメーカー品が投入されただけでなく、オーバークロックモデルやオリジナルクーラー搭載モデルが複数みられる。価格は4万5000円強から5万4000円弱だった(関連記事:Radeon HD 7950の“ほどよいバランス”を確かめる)。
Radeon HD 7950は、1月に登場した上位モデル「HD 7970」からコストダウンを図ったチップだ。テクスチャユニット数が128個から112個に、ストリームプロセッサが2048個から1792個に減り、GPUクロックも925MHzから800MHzにダウンするなど、全体的に性能が抑えられている。一方で、ピーク時の消費電力が250ワットから200ワットに下がり、補助電源も6ピン×2基になるなど省エネ性は高くなっている。
性能面の評判は上々だ。フェイス秋葉原本店は「Radeonの初回ドライバは昔から不安定なところがあるんですが、それでもバトルフィールド3などがかなり快適に使えるようです。HD 7970にくらべてエコですし、電源ユニットの容量に不安がある人でも導入しやすいと思いますよ」と話していた。
ただし、売れ行きについては、「長い目で見る」と語るショップがかなり多かった。その原因は価格にある。TSUKUMO eX.は「Radeon HD 7970カードでも安いものなら5万円台前半で買えるので、そこから数千円しか安くない下位モデルに手を出す人はやっぱり少ないですよ。全体的に1万円近くダウンして、安いモデルが4万円切りするくらいが理想ですかね。まあ、そこまでいかないにしても、ちょっと価格が落ち着くのを見守るという人が多いような気がします」と冷静に語る。
また、そのロングスパンの視点でみると、HD 7950が対GeForceのシェア争いで有効な一手になったという声もあった。「ドライバ更新前のHD 7950でGeForce GTX 580に匹敵するゲームもあります。なのに消費電力はGTX 580の最大244ワットに対して、最大200ワットなわけです。GeForceの次世代版が登場するのは少し先といいますし、その間に価格が落ち着けば、かなりRadeon有利な状況になると思いますよ」(某ショップ)というが、はたして……?
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