明るさ1万ルーメンのモデルが登場――エプソン、常設型のビジネスプロジェクター4モデルを投入超解像技術にも対応

» 2012年02月08日 20時15分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

 エプソンは2月8日、ビジネス向けプロジェクターブランド「オフィリオプロジェクター」の新製品4モデルを発表した。いずれも3LCD方式を採用した液晶プロジェクターで、大学などの講堂や大会議室、ホールへの導入を想定する常設用の大型機「EB-Z」シリーズの製品だ。

 価格はオープンで、2012年3月15日より順次発売する。それぞれの想定実売価格や発売日は以下の通りだ。新製品はすべてズームレンズが付属せず、重量はレンズを除いた本体の重量となる。

オフィリオプロジェクター新機種の主な仕様
製品名 解像度 明るさ コントラスト比 重量 想定実売価格 発売日
EB-Z8450WU/EB-Z8455WU 1920×1200 7000ルーメン 5000:1 20.2キロ 150万円前後 2012年3月15日
EB-Z8350W/EB-Z8355W 1280×800 8500ルーメン 5000:1 20.2キロ 90万円前後 2012年5月23日
EB-Z10000/EB-Z10005 1024×768 10000ルーメン 5000:1 20.2キロ 140万円前後 2012年3月22日
EB-Z8150 1024×768 8000ルーメン 5000:1 20.2キロ 80万円前後 2012年3月22日

明るさと高コントラストを両立

 今回の新製品では従来モデルよりも明るさが向上し、1万ルーメンのモデルが登場した。また、超解像度技術やフレーム補間といった高画質処理機能に対応し、カラーバリエーションに目立ちにくい色合いのブラックを追加した(EB-Z8150はホワイトのみ)。

photophoto 明るさ1万ルーメンの「EB-Z10005(ブラック)」(写真=左)と1920×1200ドット表示対応で明るさ7000ルーメンを実現した「EB-Z8450WU(ホワイト)」(写真=右)

 明るさの向上については、「従来よりも光源を小さくして、光を中心に集中させることで実現した」(セイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 小川氏)という。同社が開発した液晶パネルのC2FINE技術や、オートアイリスによる5000:1のコントラスト比は従来モデルを引き継ぐ。カラーバランスを整え、シアター/sRGBモードでの色再現性を高める「エプソンシネマフィルター」も搭載している。

photophotophoto 製品説明を行ったセイコーエプソン ビジュアルプロダクツ事業部 小川恭範氏(写真=左)。光源を小さくすることで、光が漏れるムダを減らした(写真=中央)。超解像技術やフレーム補間機能も備える(写真=右)

 また、さまざまな投写条件に対応する「幾何学歪み補正機能」を備えた。4辺ごとに「弓形補正」が行え、平らでないスクリーンでの投写に対応したほか、画面を16分割してそれぞれのポイントの歪みを補正する「ポイント補正」機能を利用できる。このポイント補正によって、複数のプロジェクターを用いて投写する際につなぎ目が目立たなくなる。

photophotophoto 幾何学歪み補正機能やポイント補正機能を搭載。ポイント補正機能はマルチプロジェクションにおいて力を発揮する(写真=左)。ランプは2ランプ光学システムを搭載し、片方のランプが不意に消灯しても投写し続けることが可能だ。動作温度は0〜50度と従来機種よりも5度上がっている(写真=中央)。新製品はレンズが付属しないが、さまざまな状況に対応するレンズを6種類用意する(写真=右)

 4機種とも、ボディデザインやインタフェースなどの仕様はほぼ共通する。インタフェースはアナログRGB、5BNC、1BNC、S-Video、HDMI×2の映像入力、アナログRGBの映像出力、有線LAN、USBなどを備える。さらにEB-Z8450WU/EB-Z8455WUはHD-SDI端子も備え、業務用放送機器と組み合わせて使用できる。4機種とも本体サイズは534(幅)×734(奥行き)×167(高さ)ミリで、重量は20.2キロ。

利用シーンの広がりに対応

photo 販売戦略を説明したエプソン販売 VIMD部部長の久保厚氏

 近年、常設型プロジェクターにおいてはWUXGA(1920×1200ドット)やWXGA(1280×800ドット)対応モデルのラインアップ拡充が中心だったが、今回の新製品ではXGA(1024×768ドット)のモデルも積極的に投入している。その販売戦略について、エプソン販売 VIMD部部長の久保厚氏が説明を行った。

 久保氏によれば現在、明るさ6000ルーメン以上におけるプロジェクター市場は、XGA対応が約6割を占めている(2010年4月〜2011年12月、富士キメラ総研調べ)というが、「WUXGAやWXGA対応のプロジェクターへのニーズは増えており、現在はWUXGA/WXGA対応プロジェクターの市場規模は50%程度まで高まっているだろう」と推測する。

photophotophoto 明るさ6000ルーメン以上のプロジェクター市場は、XGA対応が約6割を占めている(写真=左)。新製品のラインアップ(写真=中央)。XGA対応モデルと、WUXGA/WXGA対応モデルのターゲットは異なる(写真=右)

 今回のラインアップ拡充は、より多くのユーザーのニーズに応えるのが狙いだ。「既存の設備を継続利用したいという方にはXGA対応モデルを、高精細画像を高画質で映したいという方にはWUXGAやWXGA対応モデルを使ってもらいたい」と久保氏は述べた。販売目標については「6000ルーメン以上のセグメントで30%以上を獲得」することを目標としており、1年間で合計1200台の販売を目指す。

photophotophoto 発表会で展示されていた「EB-Z10005」。ブラックモデルは型番の1ケタ目が5となる(写真=左)。EB-Z8455WUとその背面(写真=中央、右)
photophoto 発表会ではマルチプロジェクションのデモが行われた。ポイント補正機能によって、映像を重ねてもつなぎ目が目立たない

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