今年もチョコはもらえなかった。やはり現実(3次元)はダメだな。2次元の方が性に合っている。ディスプレイを見ているだけでは物足りない。どうにかして2次元の世界に引きこもりたい。
上海問屋はそんなワガママなボクの願いもかなえてくれる。「Dockコネクタ接続 ヘッドマウントディスプレイ」を使えば2次元に引きこもれそうだ。
この製品はiPhoneやiPadに接続すると、メガネ部分に画面を表示できるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)だ。ツルにあるUSBポートとDockコネクタをケーブルで接続して本体を頭部に装着し、イヤフォンをつけるだけで簡単に動画を視聴できる。
端末から電力を供給するため、バッテリーなしで使用できるのが特徴だ。スクリーンサイズは2メートル先の視点で60型相当となるが、解像度は300×224ドットにとどまる。しかし何より、9999円という手ごろな価格がいい。
では、装着しよう。折りたたんだ状態の本体サイズは154(幅)×21(高さ)×40(奥行き)ミリ、ツルの長さは142ミリと一般的なメガネと同程度の大きさだ。バッテリーを内蔵しないため、重量は55グラム(実測値)と、一般的なメガネより少し重い程度(私物のメガネの重さは24グラム)で済んでおり、装着してもあまり重さを感じないが、鼻パッドのサイズが大きすぎてHMDが下にずり落ちやすかった。人によってはうまくフィットせず、画面の上または下が見切れる可能性がある。なお、メガネを着用したままの装着には対応しない。
試しにiPadを接続し、YouTubeを視聴してみた。300×224ドットという低解像度が心配だったが、視聴してみると案外問題ない。YouTubeにアップされている720×480ドット程度の動画ならテロップも問題なく読めた。製品側で音量の調節が行えず、HMDを装着したまま手探りでiPadやiPhoneの音量ボタンを押さなければならないのは不満だが、まあいいか。なんせ1万円しないし。
この製品で表示できるのは、写真のスライドショーや動画(接続したデバイス本体内にあるデータやYouTube、Vimeo、Ustream)のみ。それ以外の画面を表示している場合、HMDには水色の画面が一面に映るだけだ。ニコニコ動画も試してみたが、サポートしているファイル形式と異なるため、Web上で見ることはできず、視聴するにはデータを端末にダウンロードする必要があった。
なお、製品紹介ページにはiPodにも対応するとしているが、iPod nanoでは利用できなさそうだ。iPod nanoに接続して使ったところ、バッテリーが恐ろしい勢いで減り、1分程度で電源が切れてしまった(実際にバッテリーがなくなるわけではないのだが、バッテリー切れの表示が出て電源が落ちる。iPod nanoの4th/5th generationで確認)。
HMDを使うと没入感が違う。いつも以上に夢中になって動画を見られる。特にベッドに寝転がりながらお気に入りの動画を見るのはサイコーだ。病み付きになる。後ろめたくなるようなAVを見ていても、それが家族にバレることはない。実家ではイイ子のボクにはとても大事な問題なのだ。
製品側で画質(明るさやコントラストなど)や音量の調節ができなかったり、メガネをつけたままの使用に対応していなかったり(アイピースを外せば装着できないこともないが……)と不便な点はあるものの、1万円しない安さはそれ以上に魅力的だ。気軽に動画を視聴したい人や、HMDを体験してみたいという人にオススメだ。
さてMMD杯も始まったし、思いっきりYouTubeの動画でも漁ることにしよう。初音ミクはやっぱりかわいいなあ。2次元は裏切らない。
すると、突然部屋のドアが開いた。妹が部屋に入ってきた……のだが、HMDをつけてニヤニヤしていたボクを見て、妹は何かを察したように静かにドアを閉じて出て行ってしまった。違うんだ誤解だ……妹よ、こんなお兄ちゃんでごめんよ……。
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