日本HPの春モデルとして登場した「HP Pavilion Desktop PC h9-1190jp」は、黒と銀を基調とするミニタワーケースに、SandyBridge-E世代のCore i7と、ハイエンドグラフィックスカードを搭載したフラッグシップ機だ。あらゆる処理が快適に行えることを目指したうえで、CPUの水冷システムを標準で組み込み、パワフルな性能とともに静音性までも追求した意欲作となる。さっそくレビューしていこう。
まず注目すべきはその外観だ。電源を投入すると、光沢感のあるピアノブラックのフロントマスクに赤いイルミネーションが光り、その下にも3本の赤いラインが浮かび上がる。何か“エンジンに火が入った”ような印象を受けるが、この赤い光の正体は本体の右側面を見ればすぐに分かる。右サイドパネルの一部はクリアパネルを通して内部がのぞけるようになっており、本機の特徴である水冷システムのラジエーターファンが赤く輝いているのが見える。いかにもゲーマーが好みそうな力強いデザインだ(同社は“Phoenixデザイン”と呼んでいる)。
もちろん、見た目だけでなくその性能も折り紙付き。今回試した評価機は、SandyBridge-E世代のCore i7-3930K(3.3GHz/最大3.8GHz)に、NVIDIAのハイエンドGPUであるGeForce GTX 580を搭載。さらにメモリが16Gバイト(PC3-12800の4Gバイトモジュールを4枚)、ストレージはMicron製の256GバイトSSD+2TバイトHDD(1Tバイト×2)という構成だ。なお、CPUは最上位のCore i7-3960X(3.3GHz/最大3.9GHz)と4コアのCore i7-3820(3.6GHz/最大3.8GHz)も選択できるほか、グラフィックスのオプションにはGeForce GTX 550 TiやRadeon HD 6850も用意されている。
最新6コアCPUの処理性能と圧倒的なグラフィックス、大容量のメモリ、そして6Gbps対応のSSDと、最新のハイエンドパーツで固められており、実際の操作感は快適そのもの。Micron製のSSD(RealSSD C400)はリードが公称500Mバイト/秒と高速な読み込みが特徴で、OSやアプリケーションの起動にもストレスを感じることがない(SSDのベンチマークは後述)。3Dゲームはもちろん、高解像度の写真や動画編集、3Dグラフィックス製作などあらゆる用途で不満のない性能を持つといえる。
また、ミニタワーケースながらある程度の拡張性を備えているのもポイントだ。ケース内部には5インチベイが2基、3.5インチシャドウベイが3基用意され、光学ドライブを最大2台搭載できるほか、BTOで3TバイトHDDを選択すれば最大9Tバイトという超大容量のストレージも実現できる。
そのほかのインタフェース類も豊富で、本体前面に15 in 1メディアスロットとUSB 2.0×4、天面側にUSB 3.0×2と音声入出力、背面にUSB 3.0×2とUSB 2.0×4、DVI-I出力×2(デュアルリンク)とmini HDMI出力、およびギガビットLANとサウンド関連の端子を搭載する。
本体前面にUSB 3.0ポートはないものの、机の下に置くような場合は、むしろ天面側にUSB 3.0があるほうが手が届きやすくてありがたい。なお、ビデオ出力用にDVI→アナログRGB変換アダプタや、mini HDMI→HDMI変換アダプタも付属している。
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