既報の通り、日本ヒューレット・パッカード(HP)は2月22日、14型ワイド液晶ディスプレイを搭載するUltrabook「HP ENVY14 SPECTRE(スペクトル)」を発表した。液晶ディスプレイや天面、パームレスト、タッチパッドに高硬度のガラスを採用し、傷に強く、高級感のあるデザインに仕上げたのが特徴だ。Ultrabookの中でもワンランク上の価値を提供する「プレミアムUltrabook」として投入する。
同日行われた製品発表会の冒頭では、日本HP取締役 副社長執行役員の岡隆史氏が登壇し、新製品のコンセプトを説明した。「PCのコモディティ(日用品)化に伴い、価格競争が激しくなるとともに“PCなんてどれも一緒”という考えを持つ人が増えた。確かに機能、スペック、価格は大事だが、それだけでは面白い製品にはならない。“この製品面白いね”と言われたり、“Wow!”という驚きやワクワク感を与えられるプレミアムなUltrabookを目指した」(岡氏)という。
「人が物を使っていて心地よさを感じ、好きになる要因はフォルムであったり、質感であったりと、価格や性能など数字で表せる部分ではない」と岡氏は述べ、デザインや素材にこだわった理由をアピールした。
続いてインテル取締役 副社長の宗像義恵氏を迎え、HP ENVY14 SPECTREについて岡氏とトークセッションを行った。宗像氏はHP ENVY14 SPECTREについて「スペック以外の価値にも注力しており、Ultrabookの本質を突いた製品だ」と述べたほか、1月に発表したHP Folio 13についても「バランスに優れたUltrabook」と評価、両製品に期待を寄せた。岡氏も「2012年はUltrabook元年になる。性能や使い勝手が同じで、薄くて軽いならば、多くのユーザーはノートPCにUltrabookを選ぶだろう。HPが世界1位のシェアを守るために、今一番盛り上がっているUltrabookで勝たなければならない」とアピールした。
グローバルでビジネスを展開するHPにとって、Ultrabookの登場は日本向け市場において有利に働くようだ。「欧米のユーザーは大きなノートPCを使う傾向にあるが、薄くて軽いUltrabookは日本にぴったりだ。インテルがUltrabookを提唱したことで、薄型軽量のノートPCが世界的な標準になり、HPとしては日本に受け入れられやすい製品が出しやすくなった」(岡氏)という。トークセッションの最後に両氏は「今後はコンシューマー向けだけではなく、ビジネス向けの製品を投入していきたい」(岡氏)、「Ultrabookは一過性のものではなく、これからも進化していく。期待して見守っていただきたい」(宗像氏)と述べ、Ultrabookに注力する姿勢を示した。
製品説明は、日本HP プロダクトマネージャーの佐々木澄子氏が行った。「SPECTRE(スペクトル)という言葉は、ラテン語で“見る”という意味のspecto(スペクト)にちなんだもの。“ガラスのPC”という神秘的なデザインに目を見張るという意味が込められている」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.