ガラス張りの“プレミアムUltrabook”――「HP ENVY14 SPECTRE」に誘惑されるこの質感、シビレるだろう?(1/4 ページ)

» 2012年03月02日 11時20分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

HPのUltrabook第2弾はかつてないプレミアムモデル

日本HPが放つ高級志向のUltrabook「HP ENVY14 SPECTRE」

 「HP ENVY14 SPECTRE」は、日本ヒューレット・パッカード(HP)のコンシューマー向けプレミアムブランド「HP ENVY」から登場した14型ワイド液晶ディスプレイ搭載のUltrabookだ。ガラスを多用した美しいボディデザインを最大の特徴としている。

 SPECTRE(スペクトル)という名前は、ラテン語で「見る」を意味するspecto(スペクト)にちなんだもの。ガラス張りの神秘的なデザインに、思わず目を見張るという意味が込められている。

 HPのUltrabookとしては、13.3型ワイド液晶ディスプレイ搭載の「HP Folio 13-1000」がすでに発売中だ。コストパフォーマンスを重視したFolio 13-1000に対して、ENVY14 SPECTREは高級感や所有欲を満たすことに重きを置いており、HPではUltrabookの上位カテゴリ「プレミアムUltrabook」と位置付けている。

 製品ラインアップには量販店向けモデル「HP ENVY14-3003TU」と同社HP Directplusの直販モデル「HP ENVY14-3004TU」が用意され、CPUとSSDのスペックが異なる。今回は2012年3月中旬の発売に先駆け、ハイスペックな直販モデルをレビューしよう。


ガラス張りのボディは高級感抜群

 まずはガラスを多用したボディに注目だ。天面をはじめ、液晶ディスプレイとパームレストに、つややかな光沢がある透明のガラス素材を利用し、見た目にも触った感触でも高級感が味わえる。高硬度のガラスを採用することで、傷にも強いという。サラサラとした手触りのタッチパッドもガラス素材だ。

 4つの角に丸みを持たせたフラットなトップカバーの枠にガラスがキッチリと収められているほか、パームレストおよび液晶ディスプレイ全面にガラスを張り、液晶パネルとフレームを境目のないシームレスなデザインとするなど、細部の加工や組み付け、表面の仕上げも実に丁寧に行われている。ボディカラーはブラックとシルバーのツートーンで、全体に落ち着いた雰囲気だ。

 ボディの高級感をより高める工夫として、光の演出も見逃せない。天面の白く輝く「HP」ロゴ、明るいキーボードバックライト、そして赤く光るBeats Audioブランドの「b」ロゴを備えており、光沢あるガラスボディに効果的なアクセントを加えている。

 天面ガラスの下や底面ボトムカバーの素材にはマグネシウム合金を採用し、剛性感も高い。底面の手触りはラバー調でしっとりとしており、持ち運びのときには手になじむ。パームレストの下やキーボードベゼルといったシルバーの部分は樹脂製だが、ユーザーが通常の利用で直接手を触れる部分は硬いガラスなので、チープな印象はまったくない。

 ただし、ブラックの天面と底面は素材の関係もあって指紋の付着が目立つ。美しい外観を保つため、装飾品のような感覚でこまめに指紋などの汚れをふき、磨き上げておきたいものだ。

ボディカラーはブラックとシルバーのツートーンを採用。天面とディスプレイ面、パームレストにはガラスが張られ、フラットで高級感ある仕上がりだ。タッチパッドにもガラスを用いている

ディスプレイは液晶パネルとフレーム部をすべてガラスで覆っている(写真=左)。パームレストもガラス製で硬くひんやりした質感だ(写真=中央)。パームレストとキーボードの間には段差があり、キーが打ちやすくなっている。暗い場所ではキーボードバックライトが利用できるほか、赤く光るBeats Audioブランドのロゴでデザインに一工夫を加えている(写真=右)

天面はブラックで統一されたシンプルなデザインだが、左下の光る「HP」ロゴが目を引く(写真=左)。マグネシウム合金製の底面はラバー調でしっとりした手触り(写真=右)。外からネジが見えない美しいデザインだ

 デザインへのこだわりはPC本体に限らない。専用デザインの外箱やスリーブケース、ACアダプタ用のポーチが付属するなど、従来のENVYシリーズから引き継ぐパッケージ全体での所有欲を満たす演出も見事だ。

製品の外箱もブランドイメージを追求した専用のデザインとなっており、上段にPC本体、下段に付属品を収める(写真=左/中央)。専用のスリーブケースとACアダプタを収納できるポーチが付属する(写真=右)

Ultrabookとしては重厚なボディ

 ボディのサイズは、327(幅)×221(奥行き)×20〜23(高さ)ミリ、重量は約1.83キロだ。実測での重量は1.815キロと公称値より少し軽かった。

 横幅と奥行きは13.3型UltrabookのForio 13-1000(幅318.5×奥行き220.2×高さ18〜20.3ミリ)とほとんど変わらず、14型ワイド液晶を搭載している割にコンパクトといえるが、これまでのUltrabookより一回り大きな画面やガラスの多用は本体の厚さや重さに影響を与えている。

 特に重量はUltrabookとしてはかなりあり、ずしっとした重みを感じるが、Ultrabookを名乗るのに重さの必須条件はないため、ENVY14 SPECTREでは持ち運びやすさより高級感を優先したというわけだ。ここは割り切りが必要な部分となる。

ENVY14 SPECTRE(左)とForio 13-1000(右)の天面。画面サイズはENVY14 SPECTREのほうが一回り大きいが、フットプリントはほとんど変わらない

ENVY14 SPECTRE(左)とForio 13-1000(右)の底面。ENVY14 SPECTREは底面にネジが露出しておらず、すっきりしたデザインにまとめている。前方にはステレオスピーカーを内蔵する

ENVY14 SPECTRE(左)とForio 13-1000(右)の側面。ENVY14 SPECTREはガラス張りのトップカバーに厚みがある

ENVY14 SPECTRE(左)とForio 13-1000(右)の液晶を開いた様子。本体側の厚みはほぼ同じだ

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