OS込みで2万9820円からとするリーズナブルな価格が魅力のミニミニPC「Endeavor NP30S」。これがあると何が便利か──「セカンドPC」としての活用事例を紹介する。
「セカンドPC」があると、なにかと便利だ。
PCを複数台活用するとなると、PCパーツの流用ができるような“PC好き”な人が中心と思われるが、意外にそれだけではない。メインのPCにトラブルが起こった場合にネット上で情報を検索したり、メインPCでの作業中に別画面で資料データを表示したり、時には動画/音楽再生も任せてしまうなど、もう1台インターネットに接続しているPCがあると役に立つ場面が多い。これ以外にも、もっと広くPC利用者にとってメリットがある。今回はエプソンダイレクトのミニミニPC「Endeavor NP30S」(以下、NP30S)でその利用シーンを探ることにしよう。
NP30Sは、OS(32ビット版Windows 7 Home Premium)込みで2万9820円から選べる省スペースPCだ。本体サイズは75(幅)×154(奥行き)×199(高さ)ミリ(スタンド込み、突起部除く)。例えると、USB外付けタイプのポータブル光学ドライブほどである。省スペースを理由にノートPCを選んでいた人も「こんなに小さいの?」と驚くであろう小型サイズだ。ノートPCと違い、実利用にはディスプレイとキーボード、マウス(基本構成例にUSB 109キーボード&オプティカルマウスが同梱)を接続する必要はあるが、用途に応じて大きい画面サイズの液晶ディスプレイ、あるいは自分好みのキーボードやマウスを組み合わせて使える。家庭にも、ビジネスにも、“デスクトップPCならではの利点”も生かせるPCだ。
さらにNP30Sは、その超小型ボディゆえ、オプションとして用意する「ディスプレイ一体型パック」(プラス9975円から)により液晶ディスプレイの“裏”へ設置できてしまう。ディスプレイ一体型パックは、18.5型ワイドの液晶ディスプレイ「LD18W42S」(プラス9975円)、あるいは21.5型ワイドの「LD22W62S」(プラス1万4700円)を選択でき、こちらによりあたかも「ディスプレイ一体型PC」のようにスマートなスタイルで活用できるようになる。
超小型の本体ながら、インタフェースはかなり豊富だ。USB 2.0ポートは前面と背面合せて6ポートあり、ディスプレイ出力端子はデジタル/アナログ両対応のDVI-Iを1基、LAN端子は1000BASE-Tに対応、オーディオ入出力端子は前面にヘッドフォン/マイク、背面にライン出力を搭載している。
前面にある電源ボタンは起動中/HDDアクセスを示す通知LEDも兼ねており、視認性は上々。さらに本機はファンを内蔵するものの、低消費電力のプロセッサとともに排熱がボディの下から上へ抜ける効果を利用した機構を採用することで、動作音は驚くほど静かである。
NP30Sが従来モデルから大きく変わったのはプロセッサだ。採用する「AMD C-60」は、(ノートPC向けプラットフォームを採用する)省電力/省スペース志向のデスクトップPCやノートPCに採用されるAMD EシリーズAPU(TDP 18ワット)をさらに低消費電力化した「Cシリーズ」(TDP 9ワット)のモデルである。デュアルコアで定格クロックは1.0GHz、負荷に応じて最大1.33GHzまで動作クロックを上昇させる。また、このC-60はCPU機能とグラフィックス機能(GPU)を統合した、AMDの言う“APU”であり、C-60はDirectX 11に対応した「Radeon HD 6290」を統合している。最新のDirectXに対応している点を含め、このクラスのGPUとしては強力なのはポイントの1つになる。
本機の実パフォーマンスはどうだろうか。Windows エクスペリエンスインデックスを前モデルの「Endeavor NP15」(Atom D525、デュアルコア/Hyper-Threading Technology対応)のスコアと比べると、プロセッサスコアこそ3.2だが、グラフィックススコアが2.7→4.1、さらにゲーム用グラフィックスも3.1→5.5と大きく向上している。
PCの総合パフォーマンスを計るPCMark 05のスコアも、CPUスコアのほか、グラフィックス系のスコアでかなりの差が確認できる。実際のレスポンス・使い勝手を含め、総合的なシステムパフォーマンスはかなり向上したと評価できる。
基本的に、2012年現在の主力デスクトップPCと比べてしまうとパフォーマンスはそれなりだ。ただ、主な用途として想定されるインターネット利用や、テキストベースの書類作成、Webベースのカジュアルゲーム、音楽再生、写真データの管理といった用途にはまったく不満なく利活用できる性能は備えている。
なお、NP30Sと同じボディに上位プロセッサのAMD E-450を採用し、OS(Windows 7 Professional)やストレージの種類(SSDなど)、メインメモリ容量などのカスタマイズに対応する「Endeavor NB50E」も用意するので、ビジネスシーンやセカンドPC以上の用途を望むのであればこちらも選択肢に加えるとよいだろう。
さて、総合パフォーマンスはそれなりとしたがグラフィックス性能はかなり高めだ。このため、マルチメディア用途にも意外と適してしまう。AMD C-60に統合されたGPUは、UVD(Unified Video Decoder)と呼ぶ映像再生支援機能が搭載されており、これを活用することでハイビジョンクラスの映像もスムーズに、そして低消費電力で再生させることができる。
このUVDによる映像再生がどのくらい有効か。マイクロソフトが用意するフルHD(1920×1080ドット)のWMVデータと筆者手持ちのWUXGA(1920×1200)表示対応液晶ディスプレイを用い、OS標準のWindows Media Playerで再生させたところ、なるほど、コマ落ちなくスムーズに、至って普通に再生できた。数年前のAtom搭載NetbookではフルHD解像度クラスの動画はここまでスムーズに再生できなかったが、本機であれば大丈夫。その際の消費電力も約15ワットとかなりエコに動作するので、多目的な動画プレーヤーとしての資質も備えているわけだ。
参考までにNP30Sの消費電力についてもまとめておこう。
本機のカタログ値は通常時で8.9ワット。今回、各種キーボードやマウスなどUSB機器を接続した実環境時で9ワットほど。そこからMP3ファイルを再生させると約11ワットとなった。ちなみに、一般的なデスクトップPCは低消費電力CPUを用いた構成でもアイドル時で30ワット台、パフォーマンス向けのCPUにグラフィックスカードを組み合わせると50ワット台まで跳ね上がり、より上位志向の構成では100ワット以上となるのも珍しくはない。こう比べると、改めてNP30Sの特長がキラリと光っていることが分かる。
例えば、Webサイトの表示やメールチェックなど一般的なPC利用と、動画再生や音楽再生のような用途であれば、メインのPCではなくNP30Sに切り替えることで、家庭の消費電力をかなり削減できるだろう。
また、動画のエンコードや大量写真データのRAW現像作業など、メインのPCで時間のかかる重い作業をしている間はどうだろう。物理的に別のPCがあれば、“メインPCの処理に影響を与えることなく”より快適にPCを利用できるというわけだ。
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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年3月18日
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