下位モデル? 買いモデル? ──「GeForce GTX 670」の手ごろな性能を試すイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2012年05月10日 22時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

Kepler世代の“x70”グレードはコンパクトでさらに省電力

 GeForce GTX 670は、すでに登場しているGeForce GTX 680と同じ“GK104”コアを採用したGPUだ。ただし、従来のGeForce GTX 580とGeForce GTX 570のように搭載するシェーダの数や動作クロックなどで違いがある。

型番 GeForce GTX 680 GeForce GTX 670 GeForce GTX 580 GeForce GTX 570
GPC 4 4 4 4
SM 8 7 16 15
CUDA Core 1536 1344 512 480
テクスチャユニット 128 112 64 60
ROPユニット 32 32 48 40
GPUクロック(MHz) 1006 915 772 732
Boost Clock(MHz) 1058 980 - -
CUDAコアクロック - - 1544 1464
テクスチャフィルレート(GTexels/sec) 128.8 102.5 49.4 43.9
メモリクロック(MHz) 1502 1502 1002 950
メモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリ接続バス幅(ビット) 256 256 384 320
メモリ帯域幅(GB/sec) 192.26 192.26 192.4 152
メモリ容量(MB) 2048 2048 1536 1280
2次キャッシュメモリ(KB) 512 512 768 640
最大消費電力(TDP) 195 170 244 219
補助電源レイアウト 6+6 6+6 8+6 6+6
DirectXサポート 11 11 11 11
PCI Express Gen. 3 3 2 2
構成トランジスタ数(億) 35.4 35.4 30 30
プロセスルール(ナノメートル) 28 28 40 40
Thermal Threashold(摂氏) 98 98 97 97

 GeForce GTX 670をシェーダユニットから見ていくと、まずCUDAコア数が1344基となっている。1536基だったGeForce GTX 680と比べると、192基の減少だ。テクスチャユニットの数も112基となり、128基だったGeForce GTX 680からは16基ほど減っている。一方、ROPユニット数は32基で変更はない。

 GPUのコアクロックは、1GHzを切っている。ベースクロックが915MHzでBoostクロックは980MHzとしている。Boostクロックは自動でクロックアップする中で平均値的な値を示すとNVIDIAは説明しているので、実際のGPU Boostでは1GHzを超えることもありそうだが、ベースクロックとBoostクロックという2つの数値において、インパクトに欠ける印象は否めない。とはいえ、グラフィックスカードベンダーからはオーバークロックモデルが登場し、そのなかにBoostクロック、もしくは、ベースクロックの段階で1GHzを超えてくるものもあるだろう。

 意外にも、グラフィックスメモリのスペックは、GeForce GTX 680と同等に設定している。接続バス幅が256ビットのGDDR5で、容量は2Gバイト。データ転送レートはDDRで6Gbpsに相当する。

GPU-ZでGeForce GTX 670の仕様を確認する。CUDAコアが1344基、GPUコアクロックが915MHz、Boostクロックが980MHzと1GHzを超えていないが、メモリ周りはGeForce GTX 680と共通する

 電源回路の仕様は、外部補助電源コネクタが6ピン×2基で、これもGeForce GTX 680と変わらない。ただし、最大消費電力はGeForce GTX 680の195ワットに対して、170ワットに抑えている。なお、従来の世代で同等クラスのGeForce GTX 570は、GeForce GTX 680より高い219ワットにも達していた。170ワットという値は、GeForce GTX 560 Tiに相当する。

 NVIDIAが示すリファレンスデザインのグラフィックスカードは、GeForce GTX 680などのリファレンスデザインと比べてコンパクトだ。基板の長辺方向サイズは、約241ミリで、約229ミリのGeForce GTX 560 Tiのリファレンスデザインと比べて少し大きいと感じる程度だ。ただし、GeForce GTX 670搭載リファレンスデザインでは、実質的な基板長辺方向サイズはさらに短い。これは、後部の樹脂製部分は、ファンを搭載するためだけに設けられているからだ。オリジナルデザインのクーラーユニットを搭載するモデルであれば、さらに短いコンパクトな製品が登場する可能性もある。

リファレンスデザインはいたってシンプルだ。動作クロックが下がり、シェーダユニットが減った分、冷却が容易なのかもしれない。GeForce GTX 570搭載リファレンスデザインと比べると、長さそのものが短く、基板の実質的な流さだけで比較すると3分の程度に過ぎない

 基板長辺方向のサイズが短くなった影響で、外部補助電源コネクタは実際の基板における後部上方にあり、見た目上のカード後部より前方に位置する。ただ、GeForce GTX 680のように2段重ねではなく、横に2基並んでいる。基板裏面でもう1つ特徴的なのが、グラフィックスメモリのレイアウトだ。チップ8基分のパターンを基板に用意しているが、実装するチップは4基で、残りの4基は基板表面側に実装するとみられる。映像出力インタフェースは、GeForce GTX 680と同じ種類を同じレイアウトで配置する。

SLIコネクタは2基で、GeForce GTX 680と同じように、3-way以上のSLI構築に対応する。外部補助電源コネクタはグラフィックスカードの中ほどに、6ピン×2基を置く。映像出力インタフェースのレイアウトはGeForce GTX 680と同じで、2基のDVIとDisplayPort、HDMIを備える

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