一方、クラウドゲームサービス向けの「GeForce GRIDプラットフォーム」は、GPU仮想化技術を利用し、PCやタブレットデバイス、携帯電話、テレビなど、ネットワークに接続可能なデバイスで、最新のPCゲームタイトルを楽しめるようにする。具体的には、Keplerベースの“GeForce GRID GPU”を搭載するサーバでレンダリング、ビデオストリーミングへの変換、配信を行なう仕組みだ。
このプラットフォームでは、KeplerベースのGPUでゲームを高速にレンダリングし、各フレームのキャプチャーとエンコードをGPU内蔵のハードウェアビデオエンコードエンジン「NVENC」でリアルタイムにエンコードして圧縮する。そのデータを直接ネットワーク配信することでデータ配信にかかるレイテンシも大幅に短縮し、ゲームコンソール機に相当するレスポンスを実現すると説明する。
NVIDIAは、GeForce GRID GPUを導入する最初の製品では、GeForce GTX 680(GK104)を2基搭載して、ラックマウントサーバでも利用できるようにファンレス化したシステムボードを用意し、各GPUで4人、1枚のカードで最大8人に対してゲーム・ストリーム配信を可能にするという。ファン氏は、GeForce GRID対応のGaaS(Gaming-as-a-Service)を開発しているGaikai CEOのデビッド・フェリー氏を基調講演に招き、ASUSの「ASUS Transformer Prime」と、LG Electronicsの「LG Cinema 3D Smart TV」でNVIDIAのクラウドゲーミングサービスを利用した「Hawken」を用いてネット対戦のデモを公開した。タブレットデバイスだけでなく、インターネットに接続できるテレビも、このプラットフォーム技術を利用すれば、最先端のゲームコンソールとして楽しめるようになるとファン氏は主張している。
ファン氏によれば、同プラットフォームを採用したクラウドゲームサービスとしては、G-cluster、Playcast、Otoyに加え、NTTドコモのLTE通信サービス「Xi」(クロッシイ)に対応するNHN Japanの「G CLOUD」の基本サービスを提供しているUbitusが対応を表明しているという。また、GeForce GRIDやVGXクラウドプラットフォームに対応したサーバは,CiscoやDell、HP、IBM、Supermicroなどのパートナー企業が提供することもあわせて発表した。
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