夏休みに自分だけのパソコンを作ろう――親子パソコン組み立て教室選ぶ楽しさを

» 2012年07月30日 21時29分 公開
[後藤治,ITmedia]

恒例の「親子パソコン組み立て教室」開催。沖縄からの参加者も

全国から21人の小学6年生が参加した。写真は午後の部に参加した12人

 マウスコンピューターは7月28日、長野県は飯山市にある同社の工場内で「2012年度親子パソコン組み立て教室」を開催した。同社主催のPC組み立て教室は今年で3回目になる。例年通り、全国の小学6年生を対象に広く応募を受け付け、2012年は21組の親子が選ばれた。飯山市内の小学校を対象とした参加枠とは別に県外から応募した人も多数おり、最も遠方ではなんと沖縄から参加した人もいる。子どもたちにとっては夏休みの楽しい思い出になりそうだ。

 パソコン教室開講時に登壇したマウスコンピューターの小松社長は、「これからみなさんが作るパソコンは、ほかに同じパソコンはない、自分だけのパソコンです。今回の教室を通して、今後自分が使っていくパソコンはどんなものがいいのか、買う前に選ぶ楽しさも知ってほしいと思います」と子どもたちに語りかけ、「(組み立てたパソコンを)勉強や遊びに活用してください」とあいさつした。

 実は第1回(2010年)第2回(2011年)の組み立て教室では、参加者全員が同一のノート型ベアボーンを使っていたのだが、第3回では組み立てるPCの構成を参加者自身が選び、さらに工場内からパーツを探すところまで行うというユニークな試みを取り入れている。小松社長はこの試みについて「やはりBTOで自分に最適なPCを選べるのが(マウスコンピューターの)強みでもあるので、これはずっとやりたいと思っていました。組み立て教室は今回で3回目になりますが、だんだんウチらしいイベントになってきたと思います」と語っている。

長野県飯山市にあるマウスコンピューターの飯山工場。マウスコンピューターがiiyamaを吸収後、PCの生産拠点として稼働させている(写真=左)。マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏(写真=中央)。飯山市役所経済部長の稲生孝氏も来賓としてあいさつ。同市の産業を支える地域密着型の企業としてマウスコンピューターを紹介した(写真=右)

自分で選んだパソコンを自分で組み立てる!

2010年に行われた第1回から“校長先生”をつとめる橋立氏

 今回組み立てられるPCは、参加者の希望によって17.3型/15.6型ワイドノートPCから11.6型NetBook、さらにはデスクトップPCまで非常に幅広い。自作が比較的容易なノート型ベアボーンといっても、子どもによっては使い慣れないドライバーを握りしめ、はじめて見るCPUや各種パーツを組み込んでいくという細かい作業をしなくてはならず、接続するケーブルの多いデスクトップPCはそれよりもさらに工程が多い。

 「CPUは人間でいえば脳にあたります。メモリは机で、メモリが多ければ多いほど机が広くなり、いろいろな作業をしやすくなりますね。HDDは本だなのようなもので、データを入れておく場所です。家にある本だなよりも図書館のほうがたくさんの本があるのと同じで、HDDの容量が大きければたくさんのデータを保存しておくことができます」――第1回からパソコン教室の“校長先生”をつとめる橋立氏は、慣れた様子でPCの基本的な知識を説明していくが、先生の言葉に耳を傾ける子どもたちの表情は真剣そのもの。その後、自分のパソコンに必要なパーツを工場内から集め、一組の親子に1人の女性スタッフがサポートについて組み立て作業が始まった。

まずは部材の倉庫に行き、構成一覧表を見ながら間違わないようにパーツをピックアップしていく。パーツをパレットに入れて、部品管理のデータベースを更新する手順は、実際の組み立て工程と同じだ

静電気防止のリストバンドと軍手をはめ、作業台に部品をのせる。集めた部品が間違っていないかリストを再チェック。補助に先生がついてくれるので分からないところは教えてくれる(写真=左)。ドライバーの扱いに慣れていない子どもも多い(写真=中央)。こ、これがCPUか……、もちろんパーツを見るのも初めて(写真=右)

パソコンを組み立てる子どものかたわらで、保護者も心配そうな表情を浮かべている。「あなたそれ大丈夫なの……」「ちょ、父さんに貸してみろ!」という声が聞こえてきそう。思わず手が出てしまう親もいる

デスクトップPCを選んだ参加者も2組いた。ノートPCに比べて作業工程はかなり長いが、先生の話を聞きながら丁寧にくみ上げていく(写真=左)。マニュアルを見ながら前面LED用のコネクタに接続するのはちょっと面倒そう(写真=中央)。最後にシールを張って完成(写真=右)。実はこのデスクトップマシン、CPUにCore i7-3770を選び、GeForce GTX 550i搭載グラフィックスカードを追加して、電源容量も700ワットに変更している。「このスペックはお父さんが決めたの?」(記者)「いや、ボクだよ。Core i5にするかCore i7にするか迷ったけど」(子ども)……最近の小学生はすごいなあ

 PCの完成までにかかった時間は、組み立てる機種によってまちまちだが、無事全員が起動試験をパスして修了証の授与となった。参加した子どもに感想を聞いたところ「パソコンの中を初めて見たけど、すごく細かい」「CPUはピンがいっぱいあったので驚いた」「ネジを回すのが難しかった」という初々しい意見が多く、保護者も「うちの子はドライバーも使ったことはなかったと思いますが、意外とちゃんとやってるなあと思いました」と満足そうな様子だった。

 ちなみに、今回の参加者で唯一、外付けグラフィックスカードを搭載したデスクトップPCを選んだ彼は、「友だちとネットでFPSをやってるんだけど、いまのパソコンはちょっと厳しかったのでうれしいです」とひとりだけレベルの違う発言をしていた。隣にいた父親は苦笑していたが、PC USER的には前途有望である。

完成したら起動試験に回す。電源ボタンを押して見守る子どもたち(写真=左)。無事起動すると、自然と拍手が沸き上がる(写真=中央)。今回沖縄から参加した親子。お父さんもお疲れさまでした(写真=右)

訳ありセールも大盛況

 なお、7月28日は飯山工場内で「訳ありセール」も同時開催されていた。最大85%引きの商品も用意される大特価セールとあって、駐車場に止まっている車のナンバーを見ると県外から来場した人も多く、開場した午前9時の時点で200人近い列ができたようだ。

 記者も掘り出し物を求めてのぞいてみたが、かなりの商品点数が用意されたにもかかわらず、10時前にはすでにめぼしいものはすべて完売。午後から来場する人のために、急きょWeb即納モデルをたなに並べるなどの措置を取ったという。訳ありセールに出されるのは一般的に擦りキズや汚れがついたモノの再整備品が中心だが、補充された製品は完全な新品ばかりで、かなりお得な大特価セールになっていた。

記者が訳ありセールの会場に入った午前10時にはすでにかなりの品薄状態。午後のために「訳あり」ではないWeb即納モデルが特価で放出された

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