マウスコンピューターは7月28日、長野県は飯山市にある同社の工場内で「2012年度親子パソコン組み立て教室」を開催した。同社主催のPC組み立て教室は今年で3回目になる。例年通り、全国の小学6年生を対象に広く応募を受け付け、2012年は21組の親子が選ばれた。飯山市内の小学校を対象とした参加枠とは別に県外から応募した人も多数おり、最も遠方ではなんと沖縄から参加した人もいる。子どもたちにとっては夏休みの楽しい思い出になりそうだ。
パソコン教室開講時に登壇したマウスコンピューターの小松社長は、「これからみなさんが作るパソコンは、ほかに同じパソコンはない、自分だけのパソコンです。今回の教室を通して、今後自分が使っていくパソコンはどんなものがいいのか、買う前に選ぶ楽しさも知ってほしいと思います」と子どもたちに語りかけ、「(組み立てたパソコンを)勉強や遊びに活用してください」とあいさつした。
実は第1回(2010年)、第2回(2011年)の組み立て教室では、参加者全員が同一のノート型ベアボーンを使っていたのだが、第3回では組み立てるPCの構成を参加者自身が選び、さらに工場内からパーツを探すところまで行うというユニークな試みを取り入れている。小松社長はこの試みについて「やはりBTOで自分に最適なPCを選べるのが(マウスコンピューターの)強みでもあるので、これはずっとやりたいと思っていました。組み立て教室は今回で3回目になりますが、だんだんウチらしいイベントになってきたと思います」と語っている。
今回組み立てられるPCは、参加者の希望によって17.3型/15.6型ワイドノートPCから11.6型NetBook、さらにはデスクトップPCまで非常に幅広い。自作が比較的容易なノート型ベアボーンといっても、子どもによっては使い慣れないドライバーを握りしめ、はじめて見るCPUや各種パーツを組み込んでいくという細かい作業をしなくてはならず、接続するケーブルの多いデスクトップPCはそれよりもさらに工程が多い。
「CPUは人間でいえば脳にあたります。メモリは机で、メモリが多ければ多いほど机が広くなり、いろいろな作業をしやすくなりますね。HDDは本だなのようなもので、データを入れておく場所です。家にある本だなよりも図書館のほうがたくさんの本があるのと同じで、HDDの容量が大きければたくさんのデータを保存しておくことができます」――第1回からパソコン教室の“校長先生”をつとめる橋立氏は、慣れた様子でPCの基本的な知識を説明していくが、先生の言葉に耳を傾ける子どもたちの表情は真剣そのもの。その後、自分のパソコンに必要なパーツを工場内から集め、一組の親子に1人の女性スタッフがサポートについて組み立て作業が始まった。
PCの完成までにかかった時間は、組み立てる機種によってまちまちだが、無事全員が起動試験をパスして修了証の授与となった。参加した子どもに感想を聞いたところ「パソコンの中を初めて見たけど、すごく細かい」「CPUはピンがいっぱいあったので驚いた」「ネジを回すのが難しかった」という初々しい意見が多く、保護者も「うちの子はドライバーも使ったことはなかったと思いますが、意外とちゃんとやってるなあと思いました」と満足そうな様子だった。
ちなみに、今回の参加者で唯一、外付けグラフィックスカードを搭載したデスクトップPCを選んだ彼は、「友だちとネットでFPSをやってるんだけど、いまのパソコンはちょっと厳しかったのでうれしいです」とひとりだけレベルの違う発言をしていた。隣にいた父親は苦笑していたが、PC USER的には前途有望である。
なお、7月28日は飯山工場内で「訳ありセール」も同時開催されていた。最大85%引きの商品も用意される大特価セールとあって、駐車場に止まっている車のナンバーを見ると県外から来場した人も多く、開場した午前9時の時点で200人近い列ができたようだ。
記者も掘り出し物を求めてのぞいてみたが、かなりの商品点数が用意されたにもかかわらず、10時前にはすでにめぼしいものはすべて完売。午後から来場する人のために、急きょWeb即納モデルをたなに並べるなどの措置を取ったという。訳ありセールに出されるのは一般的に擦りキズや汚れがついたモノの再整備品が中心だが、補充された製品は完全な新品ばかりで、かなりお得な大特価セールになっていた。
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