(8)MailのVIP
「Mail」アプリで注目したいのは「VIP」機能。もはや電子メールは仕事や日常生活に欠かせない要素で、毎日、鬼のようにメッセージが届くという人も多いはず。その中から、特定の人と交わした重要なやりとりを振り返りたいときにVIPが役に立つ。使い方は簡単で、メッセージ本文の差出人欄左にある「☆」をクリックすればOK。メールボックス内に現れた「VIP」項目を押すと、そのアドレスとのやり取りが抽出される。
直近でやり取りすることが多い人に☆を付けて、用事が終わったら外すという使い方がオススメだ。社内や趣味のグループなど常にやり取りする相手ならスマートメールボックスで抽出すべきだし、メッセージ単体で重要ならフラグを使えばいい。ワンクリックでオン/オフできる特性を最大限に生かそう。
(9)QuickTime PlayerでAVCHDファイルの再生
AVCHDカメラのユーザーにとっては「ついにきた!!」とガッツポーズしたいぐらいの新要素。AVCHDカメラで撮ったファイルは、今までMacでは「iMovie」や「Final Cut Pro」などを使わないとプレビューできなかったが、これからはQuickTime Playerでサクっと内容を確認し、トリミングして書き出せる。単に書き出して誰かに見せたいだけなら、QuickTime Playerを使うほうが断然お手軽だ。
(10)リモート操作でも、ファイルをドラッグ&ドロップしてコピーが可能に
これもまた複数台のMacを併用している人向けのマニアックな話。OS XはiCloudで「どこでも My Mac」という機能をオンにしておくと、インターネットやLAN越しに別のMacからアクセスして遠隔操作することが可能だ。その方法は、Finder上でファイル/フォルダーを扱う「ファイル共有」と、実際にマシンのデスクトップを表示してマウスやキーボードで動かせる「画面共有」の2種類がある。
今まで画面共有では、遠隔操作しているマシンから手元のマシンにファイルをドラッグ&ドロップして持ってくることはできなかったが、Mountain Lionからは可能になった。Macの複数台持ちにとっては感涙の、グローバルなベストプラクティスを実践してくれる(?)機能といえる。
というわけで、10個の「すげぇ!」を紹介してきたわけだが、まったく不満がないというわけでもない。1番気になるのは、iCloudでOS Xのキーチェーンを同期してくれないこと。キーチェーンにはシステムやWebサイトのパスワード情報などが保存されているため、できればMobile Meで提供していたのと同等の機能に戻して、クラウドにもバックアップできるようにしてほしい。
もう1つ、Safariのスマート検索フィールドにキーワードを入力して検索する場合に、キーワードをURLと誤認識するのか、検索結果の画面が現れてくれないことがある(これは筆者の環境だけでしょうか……?)。
以上、Mountain Lionは、冒頭でも触れたように、今までの使い勝手をほとんど変えずに、さらに便利になったという印象だ。特にLionユーザーならアップデートしない手はないので、ぜひ入手しておこう。もちろん、これを機にマシンごと新しくしてしまうのもアリかもしれません。
Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとインターネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」、ニコニコ動画史上最大のイベント「ニコニコ超会議」などをがっつり取材した。
近著は「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)など。個人のTwitterアカウントは「kawauso3」です。
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