第3回 学生向けWiMAXサービスを体験して改めて分かった、「R631」のイイところ:キャンパスで使う「dynabook R631」(1/3 ページ)
dynabook R631はUltrabookでは珍しく、標準でWiMAXモジュールを搭載している。大学生にとってWiMAXの導入メリットはどういったものがあるのか。学内ネットワークとWiMAX網が直接接続されている恵まれた大学で確かめてみた。
ノートPCはどこでも高速ネットにつなげて当たり前?
「お兄ちゃん、このPCは家と学校でしかネットにつなげないの?」
就活でノートPCが必要になったという妹にStudio XPS 13を譲ったとき、最初に受けた質問がこれだった。そのときは「無線LANが使えるところじゃないとムリ。そんなの当たり前……」と言ってしまったが、スマートフォンやタブレットが普及しているいま、モバイルデバイスがどこでもインターネットにつながるほうが当たり前、という認識なのかもしれない。
筆者が学生だった2009年、就活期にまわりの人が次々にフィーチャーフォンからスマートフォン(iPhoneにする人が多かった)に乗り換えるさまを目の当たりにしたが、説明会予約や選考結果確認のため、彼らが重視したのは“いつでもどこでもインターネットにつながること”だった。
これは就活に限ったことではない。ゼミに所属していたときも、ネット環境の確保が重要な問題だった。例えば、課題に追われて休日にチームで集まるとき。作業のほとんどを大学で行っていた。集まるだけならばカフェでもファミレスでもどこでもいいのだが、ネットへの接続環境が必須となると、当時はキャンパス内や限られた無線LANが使えるカフェぐらいしか場所がなかった。あまりに不便だったため、チーム全体でイーモバイル回線を導入するか本気で検討したほどだ。
今ならモバイルルータのほか、テザリング対応スマートフォンを利用したり、WiMAX内蔵ノートPCを購入するといった方法がある。PCでのみ使うなら、通信機能を内蔵しているモデルが扱いやすく、少しでも荷物を軽くしたい人とも相性がよい。WiMAX内蔵ノートPCは、WiMAXのサービス開始とともに2009年7月から登場したが、その存在を知る前にノートPCを購入したことが悔やまれる。
学生ならではのWiMAXの使い方
もちろん、いつでもインターネットに接続できるのは学生、というより万人にとってのメリットだ。学生ならではという観点では、UQコミュニケーションズと慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)が2011年4月から始めたキャンパスネットワークアクセスサービスがある。
このサービスは学内ネットワーク(SFC-CNS)とWiMAX網を直接接続するというものだ。SFC-CNSのIPアドレスがWiMAX内蔵PCあるいはWiMAX機器に直接割り当てられ、VPNなどの手段を用いずに接続して、特別な操作や設定なしにSFC-CNSのサービスを学内と同様に利用できる。
要するに“いつでも、どこでも、PCを開けば学内ネットワークに接続している”状態になるわけだが、学生にとってはどのようなメリットがあるのか。実際に湘南藤沢キャンパスに向かい、同サービスを体験してみた。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスは、1990年の4月に開設した同大学の中でも新しいキャンパスで神奈川県藤沢市の湘南台にある。扱う学問分野は情報システム、メディアデザインなど多岐にわたり、“日本のインターネットの父”とされる村井純教授によって、日本では最も早い時期からネットワーク分野では最先端の研究や実験を行っている。
自然に囲まれた広いキャンパスは、穏やかな雰囲気が一方で、ほぼすべての学生がノートPCを持ち歩いているなど、学生全体のITリテラシーは高い。今回、筆者は環境情報学部教授の中村修氏監修のもと、dynabook R631でSFCのキャンパスネットワークに接続させてもらった。
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