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キータッチは現行機でもトップクラス
薄型化で懸念されるのが、ThinkPadの伝統的な長所である快適性への影響である。
しかしキーボードに関しては、何ら心配する必要はない。右端のキーを強く押し下げると、多少たわみを感じるが、アルファベットキーの部分は非常に剛性が高く、2.5mmのキーストロークや適度なクリック感を持つラバードームなどにより、快適な文字入力をサポートする。TrackPointの操作性は、いまさら言及するまでもないだろう。
キーストロークは2.5mmを確保。アルファベットキー部分の剛性も非常に高く、薄型化の影響を感じさせない(クリックすると拡大します)
廃熱処理も適度にプログラムされており、夜中の静かな室内であれば冷却ファンの音を感じられる程度。その冷却ファンも、高負荷が継続的にかかる状況下でなければ動作しない。
ただし、右パームレストの一部に、若干の暖かさを感じることはあるだろう。連続してハードディスクへのランダムアクセスが続く状況化では、タッチパッドのすぐ右側の部分に熱を感じることがある。
一方、液晶パネルは表面のノングレア処理が細かく、以前のモデルよりもクリアに見えるようになった。XGA解像度の本機は明るさも十分で、見え味も良い。ただし、色温度が他社製品よりも高い設定なのか、デスクトップ用の液晶ディスプレイと並べると青く感じることはある。
日常的にモバイルするビジネスマンに
電車通勤の多い都内のサラリーマンや、自動車などでの移動手段を持たない学生などは、より小さなPCを好む傾向が強い。しかし、1台だけで机の上から外出先まで、すべてのシチュエーションをカバーしたいユーザーにとって、ThinkPad T40は最高クラスの体験を与えてくれるだろう。
良好なタッチのフルサイズキーボード、広い液晶パネル、ハイパフォーマンスなCPUなどだ。もっとも、本機の本当の魅力はそうしたハードウェアのスペックで解る部分ではない。それらは、より低価格な製品であっても実現できているものもある。本機の魅力は、もっとエモーショナルな部分に訴えかけるところにある。
たとえばプリインストールされている「プレゼンテーション・ディレクター」は、デュアルディスプレイ構成を含む、ほとんどの画面設定の組み合わせをワンタッチで切り替える機能。デスクの上で外部ディスプレイを使う時、デュアルディスプレイでプロジェクタにスライドを映しながら手元の画面にはセリフを表示させたい時など、さまざまな場面での使い勝手を向上させる。「IBM Access Connections」というソフトウェアは、無線LANを含めたネットワークの設定を自動あるいは手動で切り替えるもの。いずれも、使ってみて初めてその使い勝手が身にしみる。
使っていて快適。ごく当たり前の要素のように思えるが、なかなかそれを実現するのは難しい。ハードウェアだけでなく、付属ユーティリティの使い勝手を含めて、丁寧に製品を作り上げているところがThinkPad T40の魅力と言える。
参考ベンチマーク値
「PCMark2002Pro」と「3DMark2001SE」のペンチマークテスト結果
[本田雅一, ITmedia]
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