> 特集 2003年5月22日 02:40 PM 更新

特集「Think」って何?
IBMの凄みは“Think”してしまうことにある(3/3)


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 「確かにそのような話はよく耳にします。しかし、実際にはそうでもありません。もしかすると、昔からのイメージが世間に定着しているのかもしれませんね。現在では価格の安い製品も用意していますし、上から下まで幅広いラインアップの製品提供を行っています。さらに、TFTモニタ付きで8万9800円のモデルなど、期間限定のお買い得モデルも販売していますよ」。

 「さすがに激安のPCと比較すると、弊社の製品は“高い”と言われてしまうかも知れません。しかし、明らかに価格に見合うものを提供しているつもりでおります。弊社のPCは筐体の作り一つをとっても、完成度の面で一歩先をいっていると自負しております」。

 「さらに、“Think”ストラテジーの付加価値を検討項目に入れていただきたいと考えています。本当の意味で“使いやすいパソコン”“使えるパソコン”ということが、当社の最重点項目なのです」。

 「もちろん、『IBM=高い』というイメージは払拭したいと考えています、しかし、だからといって機能性やお客様の使い勝手を犠牲にして価格を追求した製品を作る気はありません。弊社は、製品として完成したものを、お客様のニーズに応じたラインナップで提供していくだけです。さらには、プロが使える製品を提供していきたいと考えていますね。これはパソコンのプロという意味ではなく、ビジネスのプロが満足して使える製品という意味です。このたび、筐体カラーを黒に統一したこともプロのイメージを意識してのことです」。

 「厳密には、サービスやサポートを充実させた結果、少しだけ価格が高くなってしまうケースもあります。とはいえ、他社様より2割も3割も高い価格で販売できるわけはありません。製造工程における努力も十分に重ねていますし、今は他社様と比較して適正な価格になっていると考えているのですが」。

 こう語られるように、最近のIBMではお買い得製品も用意されるようになってきている。当然、すべての製品にIBMブランド(“Think”ブランド)は健在である。さらに将来的なコストも踏まえれば、『IBM=高い』というイメージが間違いであることに気付くと思われる。


モービル製品グループ プロダクトマネージャー 大久保宣江氏

世界のIBMと日本アイ・ビー・エム

 IBMはワールドワイドに展開するコンピュータメーカーでもある。世界のIBMと日本アイ・ビー・エムの関係は、最近どうになっているのだろう?

 「以前は、省スペース型のデスクトップPCにしろ、コンパクト型ノートPCにしろ、アメリカ本社にその必要性を理解してもらえませんでした。だから、以前のNetVistaなど省スペースモデルは日本独自でモデルとして展開していたわけです。

 しかし、最近は状況が変わり(これはアジア諸国が似たような環境にあることも手伝っているのですが)、こういったジャンルの製品をワールドワイド共通モデルとして展開できるようになりました。相変わらず広い机(デスクトップ)と、車によるモバイルでビジネスを行っているアメリカ本社も、やっと省スペース製品群の必要性を感じてくれたわけです。今回の省スペース型デスクトップPC『ThinCentre S50/A50』は、日本からの働きかけによりワールドワイド共通モデルとして採用されました」。

 このように、日本独自のモデルであった省スペース製品も、ワールドワイドに展開するIBMの実力が十分に発揮されるようになったのである。

スペックには表れない“Think”な製品

 ここまで何度も述べているように、IBMの製品にはスペック上には表れない努力が数多く含まれている。最後に、ThinkPadとThinkCetreの隠れた“Think”について伺うことができたので、操作性を中心にその詳細を紹介しておこう。

 「2003年のThinkPadから採用されているTrackPointは、Pointのキャップを改善しています。さらに、『ソフト・ドーム・キャップ』『ソフト・リム・キャップ』『クラシック・ドーム・キャップ』(従来品)といった3種類のキャップを同梱し、お客様が自分好みのキャップを使用できるように配慮しています。もちろん、TrackPoint+タッチパッドのウルトラナビ搭載モデルも健在です。長時間の使用にも十分に耐えられるデバイスを提供しています」。

 「ThinkCentreにおいては、キーボードの底面に鉄板を配置しました。これにより、少しだけコストは高くなってしまいますが、キーボード全体の歪みを抑え、タイピング時の感触を快適にすることができました。世の中には、昔のIBMキーボードのファンが少なからずいるようでして、それにできる限り近づけたキーボードに仕上げようと努力したわけです」。

 「デスクトップPCに関して言えば、スペックだけを求めるのなら自作パソコンで十分じゃないか。IBMがメーカーとして提供していくのは、ひとつの製品として完成したモノでなければいけない、と考えています。お客様には、キーボードやマウス、ポインティングデバイスなどの細かな点にも“Think”ブランドが浸透していることを感じとっていただきたいと思いますね」。


デスクトップ製品グループ プロダクトマネージャー 越智賛氏

 このようにIBMの新製品群は、従来のコンセプトを引き継ぎながらも、製品、サービスとしての総合的な“Think”が数多く盛り込まれている。スペックには表れない“Think”を、店頭などで発見していただきたいと思う。


順次掲載予定

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