PUPdate流 HDD大研究

■MP3野郎に捧ぐ! 大容量デジタルミュージックライフのススメ1〜解説編〜(1/2)

大容量HDDの使い道はなにも仕事ばかりではない。一般用途においても十分使いこなすことが可能だ。今回取り上げる音楽データも良い例の一つ。音楽と大容量HDDの効果的な使い方を探ってみよう。

 連載中に紹介している「Personal Storageシリーズ」は、大容量記憶領域をどこへでも持ち運んで手軽に使える外付けハードディスクドライブ。たくさんの音楽を手放せないユーザーにはまさにぴったりの製品だ。

 ドライブは工場出荷時からFAT32でフォーマットされており、インタフェースもIEEE 1394とUSB 2.0の双方に対応。だから、WindowsでもMacでも、プラットフォームを選ぶことがない。

 そうした利便性を考えると、Personal Storageはビジネスばかりでなくホビーの分野でも生かせそうだ。まずは「音楽」との接点を探ってみよう。

MP3が進化させた「コンピュータと音楽」

 PCやネットを利用して音楽を楽しむと言ったとき、まず思い出されるのは「MP3」だろう。

 このMP3(MPEG Audio Layer-3)は音声圧縮技術の一つで、元データのクオリティをできるだけ維持しながら、データサイズをコンパクトにしようというものだ。

 MP3の「3」がLayer-3であることからも分かるように、実はLayer-1やLayer-2もある。だが、Layer-3のデータ圧縮率が最も高く、音楽CDのデータであれば、10分の一から12分の一程度にまで圧縮しても「CD並みの音質」で音楽を再生することができる(ちなみにLayer-1だと4分の一程度だ)。詳しくは次のページで説明するが、(1曲だいたい3〜4分とした場合)音楽CDの1曲分のファイルサイズが3〜4Mバイト程度になる計算だ。

 このMP3という圧縮形式が流行し始めたのが、1998年頃のこと。その頃のネット環境では、1曲で30Mバイトぐらいになる音楽CDのデータを生のままやり取りするなど、常識では考えられなかった。だが、このサイズなら(著作権などの問題はひとまずおいておくとすれば)十分可能だ。

 しかも、このMP3という規格は、MPEG(Motion Pictures Experts Group)という動画像の圧縮方式の標準化団体が取りまとめたオープンスタンダードだったので、誰にでも利用することが可能だった。これもMP3の普及を後押しした。

 さらに、MP3の爆発的流行を決定的にしたのが、携帯用プレーヤーの登場だ。その先駆けともいえる、Diamond Multimediaの「Rio PMP300」というプレーヤーは、内蔵メモリが32Mバイト。これに外部記憶メディアで32Mバイトのスマートメディアが付属するという仕様だった。今から考えるとわずか64Mバイトかと思えるが、それでも「聴ける」レベルの音で、音楽CDの1枚分のデータを持ち歩けたのだから画期的だった。

 その後、携帯プレーヤーの内蔵メモリは64Mバイト、128Mバイトとどんどん増えていき、外部メディアの容量も増えた。市場が大きくなるにつれ、プレーヤーの価格も下がっていった。現在では、HDDを内蔵させ、記憶領域が30GバイトというMP3プレイヤーまで登場。この流れはまだまだ続く勢いだ。


アップルコンピュータから発売されている超巨大記憶容量MP3プレイヤー「iPod」。30Gバイトモデルでは約7500曲も収録できる。。24時間連続で再生しても3週間は鳴らしっぱなしにできるというスペックだ

[ITmedia ]

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