> ニュース 2003年6月12日 05:59 AM 更新

FSB533MHz対応のモバイルPentium 4でデスクノート市場を狙うインテル


 インテルは6月12日、新しいモバイル向けCPUとチップセットを発表した。今回発表されたのは、以下のCPU4シリーズ9製品、チップセット2製品だ。

ポータビリティ向けCPU

  • モバイルPentium 4/3.06GHz
  • モバイルPentium 4/2.80GHz
  • モバイルPentium 4/2.66GHz
  • モバイルPentium 4/2.40GHz
  • モバイルPentium 4/2.60GHz-M

バリュー向けCPU

  • モバイルCeleron/2.40GHz

ポータビリティバリュー向けCPU

  • Celeron/2.40GHz
  • Celeron/2.30GHz
  • Celeron/2.20GHz

モバイル向けチップセット

  • Intel 852GME
  • Intel 852PM

それぞれの1000個ロット出荷時の単価は以下のようになっている。

モバイルPentium 4/3.06GHz417ドル
モバイルPentium 4/2.80GHz278ドル
モバイルPentium 4/2.66GHz218ドル
モバイルPentium 4/2.40GHz186ドル
モバイルPentium 4/2.60GHz-M562ドル
モバイルCeleron/2.40GHz149ドル
Celeron/2.40GHz84ドル
Celeron/2.30GHz79ドル
Celeron/2.20GHz74ドル
Intel 852GME45ドル
Intel 852PM35ドル

 今回発表されたモバイルPentium 4はFSB533MHzに対応。ただし、デスクトップPC用の同クロックCPUと異なり、ハイパースレッディングには対応していない。これは、「ハイパースレッディングで実現する論理的CPUのそれぞれで、パワーマネジメントを実行するのが困難なため」(インテル)。

 モバイルPentium 4シリーズのL2キャッシュは512KバイトとNorthwoodコアPentium 4と同じ。パッケージ形状もデスクトップ版と同じFCPGA2を採用している。拡張版SpeedStepに対応しており省電力化は考慮されているものの、モバイルPentium 4/3.06GHzでThermalsが70ワットと、デスクトップほどではないがモバイルPentium 4-Mの2倍と大幅にアップしている。

 ポータビリティバリュー向けのCeleronもデスクトップPC向けCeleronと構造は同じ。従って、L2キャッシュ容量も128KバイトとモバイルCeleronの半分となっている。

 その一方で、モバイルCeleron/2.40GHzののTermalsが35ワットであるのに対し、今回登場したCeleron/2.40/2.30/2.20GHzは60ワット以上と、こちらも大幅にアップした。

 チップセットのIntel 852GMEとIntel 852PMは先に発表されているIntel 852GMのパワーアップバージョンといえるスペック。FSB533MHzに対応し、メモリバスもPC2700をサポートする。

 Intel 852GMEはグラフィックコアとしてIntel 855GMと同じ「インテル エクストリームグラフィック2」を内蔵(Intel 852PMはグラフィック機能を内蔵しない)、グラフィックコアの駆動クロックはIntel 855GMの200MHzを上回る266MHzとなっている。また、Intel 852GME/PMのどちらも、外付けのAGP 4Xをサポートしている。

 モバイルPentium 4/2.60GHz-MとモバイルCeleron/2.40GHzはそれぞれ、モバイルPentium 4-MとモバイルCeleronの最終製品となる。これは、これまで、モバイルPentium 4-Mでカバーしてきた「ポータビリティ」「フルサイズ」ノートPCのうち、「ポータビリティ」クラスをモバイルPentium 4で、「フルサイズ」クラスをCentrinoモバイルテクノロジで使う「Pentium M」でカバーすることにしたため。

 今回投入されたCPUとチップセットは主にデスクトップPC置き換え需要を狙ったノートPCをターゲットとしている。最近の3スピンドルA4サイズノートPCでは、デスクトップPC向けCPUを搭載してパフォーマンスと低価格を両立させたいわゆる「デスクノートPC」の需要が伸びてきている。

 このクラスのノートPCには、これまでコストパフォーマンスに優れたAthlon XPや、デスクトップ用のPentium 4がそのまま搭載されるケースが多かった。AMDは今年の3月にモバイル向けCPUとして、消費電圧を抑えたAthlon XP-Mを投入している。

 インテルはこのデスクノートPC向けCPUも、今回投入するモバイルPentium 4とCeleronで占有しようと目論んでいる。しかし、価格は「同クロックのデスクトップ向けPetnium 4より若干高め」(インテル)予定。これではコストパフォーマンスの良さが受けているデスクノートPCに搭載するのは難しいのではないだろうか。

 この疑問についてインテルは「デスクトップ用CPUよりTermalsは低く抑えているため、ファンの回転数や作動時間を少なくできる。インテルが検証している安定性に加えて、この静音性能に優れている分が、価格に反映していると理解してほしい」と回答した。

関連リンク
▼ 製品情報(英語)

[長浜和也, ITmedia ]

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