> レビュー 2003年6月18日 02:10 PM 更新

hp officejet 6150――各機能ともハイレベルのオフィス向けインクジェット複合機(1/2)

HPが日本で初めて投入するオフィス向けインクジェット複合機。各機能は十分満足できる水準にあり、コストパフォーマンスも高い。PCとFax機能の連携の弱さが唯一の弱点だろうか。

 昨年末からランキング上位を走り続けている日本ヒューレット・パッカードのインクジェット複合機「psc 2150」は、基本的なプリンタ、スキャナ、コピーを統合し、その上で各種メモリカードからのダイレクトプリントをマークシート方式で操作できるなど、主に家庭での使われ方を想定した機種として大ヒットした。

 実用的な4色インクモードと、写真画質の6色インクモードを簡単に切り替えられる点や、機能の割にコンパクトな筐体も、人気を博した原因だったと言えるかもしれない。

 このほかコンパクトなローエンド製品のpsc1120も含め、pscシリーズはHPの製品ラインの中で、個人ユーザーをターゲットとした製品に付けられている。これに対して今回投入されたofficejet 6150は、オフィス用途を強く意識した製品だ。


オフィス指向のインクジェット複合機「officejet 6150」

 実はofficejetシリーズはHPの中ではpscよりも古い。元々、インクジェットプリンタの技術を応用してSOHO向けに展開したのがofficejet。低価格化に伴って個人向けにアレンジしたpscという順番で開発されたためだ。

 ところが日本では、オフィスにおけるインクジェットプリンタの定着度が低かったこともあってか、これまではpscシリーズしか提供されてこなかった。従って、本機はHPが日本で展開する、初めてのオフィス用途を指向したインクジェット複合機である。

オフィス指向の新シリーズ

 本機の特徴は、スキャナ部に自動原稿送り装置(ADF)が付加され、カラー対応のSuper G3 FAX機能が統合された点にある。スキャナ部の基本スペックはCCDセンサー採用の1200dpiでpsc2150と同じだが、ADFを装備したことで用途の幅はグッと拡がった。

 横幅が多少広くなり、背も高くなるなど、全体に大柄にはなっているが、ADFの有用性からすれば、大きな問題とは言えない。奥行きサイズはほとんど変化がなく、設置性の良さは維持されている。


カバー部分を開いたところ。さすがに背は高くなるが設置性は悪くない

 ADFの装備はビジネス用途で多彩な使い方をサポートしてくれる。複数枚のFAXを自動送信できるのはもちろんだが、コピー機能では複数枚の両面自動コピーをサポートする。ADFから吸い込まれた原稿を自動反転させるメカニズムが組み込まれているほか、自動両面印刷ユニットも標準装備しているためだ。両面自動コピーが行えるインクジェット複合機は、このクラスでは本機だけである。

 もちろん、ADFはPC用スキャナとして使った場合にも利用できる。複数枚の原稿をセットし、連続でスキャンしながら紙文書を簡単にPDFなどの電子データとして保存可能だ。

 ただし、PCスキャナとして使った場合は、両面自動スキャン機能を利用することができない。もっともAcrobatなどのドキュメント管理用ソフトウェアは、奇数/偶数ページを別々に読み取る機能があるため、実用上は煩雑さを感じることはなかった。

統合されているコンポーネントそれぞれが優秀

 フラットベッドスキャナとして使う場合も、なかなか使い勝手がいい。TWAINドライバも分かりやすく、読み取り画像の品質、それに被写界深度や光量といった点でも満足できるものだ。

[本田雅一, ITmedia ]

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