> ニュース		2003年6月24日　10:19 PM 更新

日本でも公開のPower Mac G5。写真で見るその魅力

日本でも8月に発売開始

　日本時間6月24日の深夜に行われたWWDCの基調講演を受け、その映像を同時通訳で紹介する発表会が24日午前中、流通・プレス関係者を対象に開催された。

　今回のスティーブ・ジョブズ氏の基調講演の最大の目玉は、もちろん「Power Mac G5」の発表だった。アップルコンピュータ社長の原田永幸氏によると、同社がこのG5のユーザーの中心として想定しているのは、やはりプロマーケットだそうである。デザイン、パブリッシング、映像、音楽、医療、教育などといったところで、これは従来のハイエンド機の想定ユーザー層から特に変更点はない。

開会の挨拶をするアップルコンピュータの原田社長。Power Mac G5はまだベールに包まれたままだ

　日本では8月発売の予定で、既に注文受付は開始されている。なお同時に発表されたMac OS Xの次期主力バージョンアップであるMac OS X 10.3（Panther＝パンサー）は、年内には発売されるとのことだ。

ベールを脱いだPower Mac G5と原田氏

エアフローへの配慮がにじむ筐体

　実際にG5の実機が展示されていたので、気付いた点をいくつか紹介しておこう。

　まず筐体だが、素材はアルミを採用していた。アップルのデザインではアルミボディのPowerBook G4以降、どうやらアルミが“トレンド”のようだ。

　ただ、筐体の形状はPower Mac G4 Cubeのように独創的なものではなく、あくまでも通常のミニタワー。これはプロユースを意識したアップルらしい選択といえるだろう。

総アルミボディの筐体だが、ハンドルがついており、前モデルのデザイン要素は継承しているようだ

Power Mac G5の背面。2個のPowerPC G5を冷却するためのファンが目立つ

　注目すべきは、ファンとエアフローだ。今回は7個のファンを搭載しているという。また、筐体内部にはエアフローを固定化するためのカバーを入れていた。このあたりにも、注意深く放熱と静粛性を考慮して設計したことが見て取れる。

Power Mac G5は内部の空気の流れを固定するためのカバーが入る

カバーを取ったところ

PowerPC G5は1年以内に3GHz越え！

　今回のPower Mac G5のポイントは、32ビットアプリ互換の64ビットCPUと、新開発システムバスのパフォーマンス。これに尽きるのではないだろうか。

　アップルは、XeonのdualマシンとPowerPC G5のdualマシンとのベンチマーク比較を紹介、追いつき（今までは追いついていなかった）、追い越した、と意気盛んだった。Photoshop（もちろん32ビットアプリである）のパフォーマンスは、Power Mac G4と比較して倍になったという（では、今まではなんだったのか？　もちろんユーザーは知っていると思うが……）。

　とはいえ、きつい言い方をすれば、相手はPCのコモディティ化路線の先端を行くデルコンピュータのマシンだ。エアフローやシステムバス周りにまで細かく配慮したPower Mac G5と勝負させ、G5が勝ったと言っても、それはむしろ当然そうあるべき話と言えるかもしれない。

　もっとも、これほどしっかりと設計されたXeonベースのPCを、3000ドルほどで買うのは難しいだろう。それを考えれば、G5はコストパフォーマンスで見ても悪くないと言えそうだ。

唯一の疑問は“有料OS”か？

　64ビットに最適化されていない32ビットアプリでの比較で見ても、相当のスピードバンプであることは、まず間違いないだろう。またPowerPC G5は1年以内に3GHzに到達するとのことだ。Macユーザーは、Windowsマシンに対し、パワーで引け目を感じることは、なくなることだろう。

　プロユースをメインターゲットとしたPower Mac G5のためにさらに付け加えるのであれば、あの“重い”アドビのアプリに対するストレス軽減効果は確実にある。

　今回の発表でただひとつ残念だったのは、次期OSであるPantherが有料だったということだ。今後アップルは、0コンマのバージョンアップを“メジャー”という扱いにするようで、毎年“メジャー”バージョンアップがあるのであれば、それは少々……と言わざるを得ないだろう。

[大出裕之, ITmedia ]

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