> ニュース 2003年6月24日 02:52 AM 更新

Northwoodコアの最後となるか? Pentium 4/3.20GHzのパフォーマンスを検証する


 Pentium 4/3.20GHzは、0.13μメートルプロセスで製造されたNorthwoodコアで、512KバイトのL2キャッシュを内蔵し、FSB800MHzに対応する。SSE2やハイパースレッディングテクノロジーをサポートするなど、基本的にはPentium 4/3GHzを高クロック化したモデルである。

 FSBやL2キャッシュ、搭載機能など、Pentium 4/3GHzと変わっていないが、Pentium 4/3.20GHzは、NorthwoodコアPentium 4の最終モデルになる可能性が高いことに注目しておきたい。

 昨年末あたりまで、Northwoodコアの3.40GHzというモデルも噂されていたが、最近の情報では、この3.40GHzからは次期コアであるPrescottがカバーする可能性が高いようだ。ただし、Prescottの登場時期は、2003年第四半期といわれており、順調にいってもPentium 4/3.20GHzの発売から3〜4カ月間が開いてしまうことになる。

 この情報が本当だとすれば、インテルは、その間デスクトップ向けの新製品を出荷できない。しかし、AMDからAthlon64の発売が予定されている時期に、インテルが競争力のある新製品を出さないことは考えにくい。そのため、Prescottの発売を早めるなり、Northwoodの3.40GHzモデルの発売をする対応策も考えられる。

 Pentium 4/3.20GHzには、Pentium 4/3GHz同様、Intel 865G/PEとIntel 875Pシリーズが対応している。今では、各マザーボードメーカーから多数のモデルが発売されており、価格も、Intel 865PE搭載マザーで1万円台前半、ハイエンドのIntel 875P搭載マザーでも1万円台後半からと、かなりリーズナブルに入手できる。

 さらに、SiSからFSB 800MHzに対応したチップセットSiS648FXが出荷され、これを搭載したマザーボードもすでに登場している。こちらはIntel 865PEよりも更に低価格で、約1万円強で購入可能だ。このほか、VIAやALiからも、FSB 800MHzに対応したチップセットがリリースされる予定で、更に選択肢が増えてくる傾向にある。

 最高クロックのPentium 4が登場して、気になるのはやはりパフォーマンス。Pentium 4/3.0GHzが、ほぼAthlon XP 3200+と互角のパフォーマンスを見せていただけに、Pentium 4/3.2GHzが、AMDに対してどこまでパフォーマンスを上げてくれるのか興味津々である。

 テストの内容はいつも通りで、SYSMark2002、3DMark2001 SE Build330、TMPGEncによるエンコードタイム測定、FINALFANTASY XI Official Benchmark Ver.1.1(解像度1024×768ドット・32ビットカラー)と4種類のテストを行った。

 3DMARK2001は、解像度640×480ドット、32ビットテクスチャ、ソフトウェアT&Lの設定にしてある。また、TMPGEncでは、DVフォーマットの31秒959フレームの動画を、7MbpsのMPEG-2にエンコードするのに要する時間を測定した。

テスト環境
マザーボードインテル D865GBF(Intel 865G+ICH5)
CPUPentium 4/3.20GHz
メモリSAMSUNG PC3200 256MB×2(レイテンシは3-3-3-8)
HDDSeagate Barracuda 7200.7 120GB UltraATA/100 8MBキャッシュ
VGAMSI GeForce4 Ti4800SE 8X 128MB(ドライバ:Detonator 41.09)
OSWindows XP Professional英語版+SP1

 比較用に、ほぼ同じ環境で測定を行ったPentium 4/3GHzと、Athlon XP 3200+ &nForce2 Ultra 400の組み合わせによるスコアを用意した。


SYSmark2002

 SYSmark2002のスコアは、Pentium 4/3.20GHzのダントツである。SYSmark2002 Ratingで300を大幅に超えており、Internet Content Creationでは447と、Athlon XP 3200+と100ポイント近い差をつけている。


3DMark2001 SE


TMPGEncによるエンコードテスト

 3DMark2001 SEのスコアも同様の結果で、ぶっちぎりのハイスコアを記録している。  不思議なのはTMPGEncのエンコードタイムで、Pentium 4/3GHzとの差がたったの1秒しかない。Pentium 4/3GHzでもCPUの処理速度は十分にあり、HDDやメモリなど、ほかの要因がボトルネックになっている可能性が考えられる。


FINALFANTASY XI Official Benchmark Ver.1.1

 FF11ベンチの結果だけAthlonXP 3200+に追いつくことができなかった。ハイパースレッディングやSSE2などの効果が薄いアプリケーションでは、AthlonXPが有利な場合もあるということを示している。

 パフォーマンスとしては申し分のない結果となったPentium 4/3GHzだが、コストを考えた場合、実際に購入すべきかどうかは少し微妙と思われる。

 もちろん、お金に糸目を付けず、ともかく処理速度の速いCPUが欲しい人には、何も言わずにお勧めする。しかし、初期の出荷価格が600ドル台半ば(約7万5000円)というのは、最近のCPU相場と比較するとかなり高価である。処理時間がそのままコストに直結するような仕事をさせるのでない限り、購入は少し待ったほうが良いかも知れない。

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[寺崎基生, ITmedia ]

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