> レビュー 2003年8月5日 01:08 PM 更新

Pentium 4を搭載した超ミニPC「Small-2530ZPC」(1/2)

「球形」「段ボール」「巨大ロボット」と最近では色物路線が目立つルーポだが、本来は「超特化」型ハイエンド路線を取るPCベンダーである。この「Small-2530ZPC」もコストパフォーマンスならぬ「サイズパフォーマンス」を極端に狙った小型PCだ。

 ルーポから発売された「Small-2530ZPC」は、外付け光ディスクドライブ並みの筐体にPentium 4を組み入れたハイパフォーマンス省スペースPCだ。

 もともとIwllのミニペアボーン製品だった「ZPC」に、ルーポがCPUとメモリ、HDD、OSを組み入れて販売しているもの。185×58×270ミリの筐体にPentium 4/2.53GHzを搭載しており、Pentium 4搭載PCとしては最小サイズになるだろう。



Small-2530ZPC。もともとはIwillのベアボーンで、ルーポの製品にもIwillのロゴがそのまま付いている。ロゴデザイン的には横置きが似合うが、筐体のデザインとしては縦置きが基本になる。サイドの丸いスリットは、筐体内にある唯一のファンであるCPUクーラーの吸気孔

 2530ZPCに搭載されているマザーボードは、Intel 845GV+ICH4に対応したZPC専用製品。AGP、PCIスロットはないものの、グラフィックはチップセット内蔵のIntel Extreme Graphicsを利用。10/100BASE LAN、IEEE 1394もオンボードの専用コントローラを備えているので、機能的にはとくに不自由を感じない。


ZPCのマザーボード。IDEコネクタが4基あるように見えるが、右下に見えるコネクタは電源ユニットのコネクタ。左に見える三つのコネクタはドライブベイユニットとのコネクタも兼用している


マザーボードの取り出しは比較的簡単。バックパネルのネジを4本外し、筐体の中からマザーボードを「引きずり出せば」取り出せる

 AGP、PCIスロットがまったくないのはすでに述べたとおりだが、FDDコネクタも省略、IDE、DIMMスロットも一つしか実装されていない。ZPCには光ディスクとHDDが一つずつしか搭載できないため、IDEが1チャネルでもまったく問題はないが、DIMMが一つしかないのはコストパフォーマンスにかなり影響してくるだろう。

 一つのメモリしかさせない、ということは大容量メモリが必要な場合、比較的価格の安い小容量メモリではなく、容量単価の高い大容量モジュールを購入しなければならないことになるからだ。


メモリスロットは一つだけ。マザーボードの端に出ているので、簡単にモジュールを換装できるように見えるのだが……


なんと、メモリラッチの一つが、隣接して差さっている電源関連カードのコイルと干渉して開けない。そのため、このカードを取り外してからメモリを換装することになる

 マザーボードはμPGA478を実装しFSB 533MHzに対応しているが、Iwillの説明では、サポートするCPUの上限をPentium 4/2.53GHzに制限している。これはもちろん、小さな筐体で高クロックCPUを使うときに問題になる熱の影響を考慮しているため。

 今回評価マシンは対応上限のPentium 4/2.53GHzを搭載していたが、ベンチマークなど高負荷処理を連続して行ったとき、不自然なハングアップは発生せず、筐体自体もそれほど熱くならなかったことはお伝えしておこう。

[長浜和也, ITmedia ]

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