> 特集		2003年10月10日　06:36 PM 更新

静音性を極めたハイエンドマシンがさらに魅力アップ（2/2）

メーカー製デスクトップPCとして初めて水冷方式の冷却システムを採用したVALUESTAR FZおよびTXシリーズ。現時点でほぼハイエンドのスペックを詰め込みながら、高い静音性を実現した非常に魅力的なホームサーバPCの、スペック概要から紹介していくことにしよう

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水冷のメリットを活かす

　ハイエンドマシンの最大の欠点といえるのが、非常に大きなマシンの騒音である。

　高性能CPUは、利用時に非常に高い熱を発する。そういった発熱の大きい高性能パーツを安定して動作させるためには、高い冷却能力を持つ冷却システムが不可欠となる。そのため、ハイエンドマシンには、CPU、グラフィックカード、ケース、電源ユニットを含め、4〜5個ものファンが搭載されている製品が非常に多い。

　しかも、高い冷却能力を確保するために高回転タイプのファンを採用したり、コスト削減の影響で低品質なファンを採用する例が多く、それらファンの風切り音や振動を原因とする耳障りな騒音はかなりのものとなっている。せっかく充実したAV機能が特徴のマシンでも、騒音がひどいようでは魅力が大きく失われてしまう。

　それに対しVX900/7Fでは、前モデル同様、特に発熱の大きいパーツであるCPUの冷却機構として、水冷タイプの冷却システムを採用している。これは、自動車のエンジンの冷却システムと良く似たものと考えればわかりやすいだろう。

　CPU側には一般的なCPUクーラーではなく水冷用の冷却ユニットが取り付けられ、タンクに貯蔵されている冷却用の液体がポンプでCPUの冷却ユニットに送られる。そして液体が冷却ユニットを通る間に熱交換によってCPUの熱を奪い、ケース背面に用意されたラジエータに送られる。そしてラジエータで液体の熱が外部に放出され、冷えた液体がタンクに戻される。この一連の動作を繰り返すことで、CPUを冷却するというシステムだ。

　ラジエータでの冷却はファンによる強制空冷となっており、水冷システムを採用しているとはいってもファンがなくなったわけではない。しかし、VX900/7Fの水冷システムで採用されているラジエータ冷却用のファンは、一般的な8cmファンではなく、大型の12cmファンを採用。ファンのサイズが大きくなれば、同じ回転数でも高い風量を確保できるため、12cmファンを採用したほうが、8cmファンを採用した場合と同じ冷却能力を発揮させる場合でも低い回転数でまかなえる。つまり、ファンを低速で回転させられるため、それだけ騒音も大幅に低減されるというわけだ。

巨大なラジエータが特徴的な背面部

すっきりとしている右側面

左側面のハンドルを回すと、内部にアクセスできるようになる

存在を感じさせないと言ってもいいほどの静音性

　さらにVX900/7Fでは、電源ユニットの空冷ファンとラジエータ冷却用のファン、さらにケースの排気用ファンを、12cmファン1つでまかなうような設計となっている。つまり、VX900/7Fには、この12cmファンとグラフィックカードの空冷ファンの2個のファンしか搭載されていないのである。これによって、CPUやグラフィックカードに非常に高い負荷がかかるような処理を行っている場合でも、騒音レベルが30dBをやや上回る程度でしかない高い静音性を実現しているのである。

　ちなみに、30dBの騒音レベルとは、ささやき声とほぼ同等。深夜の静まりかえった街や図書館の騒音レベルが約40dBということを考えると、VX900/7Fがいかに静かなマシンかおわかりいただけるだろう。もちろん、全く無音というわけではない。確かに部屋の中に他に音源がなければファンの音が耳に入ってくるが、テレビを見たり音楽を聴いたり、家族としゃべっているような中では、VX900/7Fの騒音が気になることは全くない。これなら、リビングルームや寝室、テレビの横などに設置しても、騒音が雰囲気を壊すこともない。

　また121@storeでは、さらに静音を実現するために、ファンレスのグラフィックカード「RADEON 9600SE」を選択することもできる。

　このように、高性能と静音性を非常に高いレベルで両立させた、非常に魅力的なマシンであるVX900/7F及びWeb直販モデルについて、特徴となる機能をより深く掘り下げながら、今後数回に分けて順次紹介していくことにする。

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関連リンク
VALUESTAR TX　Web直販モデル
NECのWebストア「121@store」

[平澤寿康, ITmedia ]

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