Adobe Creative Suiteは「単体では100%ではない」――Adobeインタビュー(3/3)まずはパッケージ。発表時の記事を見ていただければ分かるが、統一感は上がったが、ぱっとした見分けがつかなくなっている。だんだん慣れてくるかもしれないが、職人の道具として愛着を持って使用していたユーザーは、複雑な気分になるかもしれない。
PremiunとStandardの違い また、上図でも分かるとおり、PremiumとStandardという2種類のスイートに分かれた。その違いは、GoLive CSと「Acrobat 6.0 Professional」が含まれるか、含まれないかということになる。Adobe的に言えば、WebをやらないならStandardで、WebにからむならPremiumのほうで、と言うことなのだろうが、この分け方は恐らく賛否両論あるのではないだろうか。 確かにInDesign CSが、グラフィックも動画もWebもすべてこなすレイアウトマスター的に進化をするであろうことは容易に想像がつく。まだまだではあるが、その萌芽は確実に見えてきている。今回動画をレイアウトしてプレビューすることが可能となったし、GoLive CSの十八番であったポイントアンドシュート(ファイルからリアルタイムに矢印を延ばしてリンク先に関連付けるユーザーインタフェース)も一部実装してきている。 そのため戦略としても、Adobe製品のあるところかならずInDesign CSあり、という理想に向かっているのだろう。言い換えれば、そういうコンセプトでなければ、InDesign CSを必要とするユーザーは永遠に拡大しない、ということでもある。 「Adobe Creative Suiteは、長期的プロダクトストラテジー再構築の始まりでもある、クリエイティブなワークフローの、Adobeとしての提案であることに変わりはない」(ヒルトン氏)とのこと。 ワークフローというもの自体は、理念はともかく、製品として目の前になければ全く絵に描いたもちとなる。その意味で、実際に製品として登場させる権利と責任を持つAdobeに今後も目が話せないことは確かである。
Adobe Creative Suiteに同梱される、Adobeからのワークフローについてのガイドブック マーケティング要素としてもうひとつ忘れてはいけないのが価格だ。価格的には、以前存在した各製品のセットである「Collection」と比べて、割安になっている。そしてこれまたミソのひとつなのだが、Photoshop単品のユーザーも、Adobe Creative Suiteをアップグレード料金で購入することができるのだ。 日本でも実施されるかどうかは不明だが、Adobeと言えばPhotoshopという事実を如実に反映しているのだろう。 ちなみにIllustrator CSについては面白い現象が起こっている。これまで、日本語版に比べて北米版のIllustratorは、為替を抜きにしても安かった。ところが今回Illustrator CSは、北米版では実質値上げとなる(恐らく登場するであろうIllustrator CSの日本語版的には値下げなのだが)。
北米での価格表 「製品価格の決定については、各種のマーケティングの結果を元に、どの程度であればユーザーに納得いただけるかを基準にして決めている。今回北米版で値上げとなったのは、Illustratorの機能価値に対して価格が安すぎる、という市場調査結果が出たのが理由だ。価格の見直しは随時行っていく」(ヒルトン氏)とのことだった。
将来的にはすべて統合化され、1つの製品になってしまうような未来も垣間見えるような気がする今回の発表であったが、ともあれ既存ユーザーにとっても、“いつかはPhotoshop”ユーザーにとっても、日本語版の登場と、詳細の発表が待たれる。 さて、最後に発表会当日の写真をいくつか。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館を借り切って発表会は行われた。株価対策という要素はともかく、クリエイティブにコミットするべき会社としては良い選択だったのではないだろうか
無論、この人も絶賛 関連リンク Adobe Systems [大出裕之, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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