WinFX――Longhornが提供する「革新」の核心(1/2)過去最高の来場者を集めたMicrosoftのソフトウェア開発者向け会議「Professional Developers Conference 2003」では、Microsoft CSAのビル・ゲイツ氏がLonghornについて言及。開発フレームワークや開発ツールなどに関しても、上級副社長のジム・オルチン氏が明らかにした。Longhornでは従来のWindowsカーネルやWin32の各種サブシステムを維持、改良しつつ、全く新しいAPIとしてWinFXが定義される。
Microsoft CSAのビル・ゲイツ氏
同社上級副社長のジム・オルチン氏 WinFXベースで開発されたアプリケーションは、WebサービスとWindowsのグラフィックス、リッチユーザーインタフェースと統合される。まさに.NETのコンセプトをOSレベルでサポートし、その上で動作するソフトウェアを新しい次元にまで引き上げるものとなりそうだ。 WinFXの全体図(以下の図版はすべてPDCにおけるMicrosoftのプレゼンテーション資料)
近年のMicrosoftは、かつてWindows 95が与えたような強いインパクトを社会に対して与えることに成功していない。その原因は、その後発表された数々のWindowsの提供するユーザー体験が、“確実に前進”しているものの、“革新的”とまでは言えないものだったからかもしれない。 例えば、Windows 2000はWindows NTをWindows 9xに大きく近付けたという点では大きな意味があった。また、Windows XPではWindows 2000では出来なかった、Windows 9xの完全な代替物になることに成功した。 これらはいずれも確かに大きな節目ではあった。しかし、それはWindows 9xとWindows NTを収れんさせるための変化であり、ユーザーがコンピュータで体験するアプリケーション自身に変化をもたらすものではなかった。 一方、LonghornはあくまでもWindows XPがベースだ。しかし、かつてないほどの大改修が行われ、Windows 3.0のWin16、Windows NT 3.1のWin32、そしてその機能拡張と続いてきたAPIの歴史は、下位互換性を保ちつつも、全く新しいWinFXへと進化した。 WinFXはプレゼンテーションを担当するAvalon、通信とネットサービスを担当するIndigo、ストレージを担当するWinFS(Windows Future Strage)に大別され、それらのサブシステムが、拡張された基盤部の上に構築される。WinFXは従来と同じ切り口で考えると、Win32などよりは上位に位置するミドルウェアに近い上位APIとして定義されており、あらゆる要素が融合されている。 例えば、Avalonは単なるグラフィックAPIではなく、ベクターグラフィック、3Dグラフィック、ビットマップ処理に加え、ビデオ/オーディオなどのメディア処理、リッチユーザーインタフェース、ドキュメントサービスなど、ユーザーへのプレゼンテーション全体に渡った機能を統合的に提供する。 [本田雅一, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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