> レビュー 2003年12月5日 07:00 PM 更新

Photoshop CSはデジカメユーザーの福音となるか(3/4)


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 続いて注目すべきは、色を補正するための色調補正系機能が三つ。色や階調の管理は写真をいじるうえで非常に重要だが、今までは個々の機能を組み合わせて創意工夫で乗り切るしかなかったのである。

 簡単なところからいくと、一つ目は「シャドウ・ハイライト」補正で、シャドウ部とハイライト部をそれぞれコントロールできる。逆光気味で被写体にうまく光が当たってない時や強く影が落ちている時にシャドウ部を持ち上げてやると、背景をトバすことなく被写体を明るくできる。例を見てもらうと一目瞭然だろう。


これが元の画像。晴天だったため陰影がかなりキツく出ている


「シャドウ・ハイライト」補正でシャドウ部を持ち上げた。すると、背景の明るさを保ったまま影の部分だけが明るくなる。デジタルレフ板みたいな感じかも。ただし、性能が低いカメラの画像でこれをやると、シャドウ部のノイズも一緒に持ち上がるので注意が必要だ

 続いて「レンズフィルタ」。要するに、カラーフィルタを付けて撮影した時のような効果を出すものだが、ホワイトバランスの補正にけっこう使える。


思いっきり赤かぶりした写真に対して「フィルタ寒色系(82)」をかけて色かぶりを除いている例。分かりやすいように下半分にだけフィルタをかけている

 そして面白いのが「カラーの適用」機能。これはすごく便利だ。スタジオでも屋外でもいいが、同じ環境下で同じ被写体を何枚も撮った中から何点かを使う場合、それぞれの色や露出は一致してないと困る。この機能はそういう時に使う。あるカットで色の補正をかけておくと、別のカットに対してもその色を適用できるのだ。撮影時の環境が同一なら、カメラ側のホワイトバランスが多少ずれていても大丈夫だ。例を示そう。


上がレタッチした写真。下がレタッチ前の別のカット


下の絵に対して上の絵のカラーを適用すると、一瞬にして補正されたカットができあがる。あとは細かいパラメータを調整すれば完了である。うまく使うと作業効率を上げられそうだ

 これはブツ撮り時の例だが、正面から見たカットと背面のカットの色を一瞬で合わせることができる。こういう作業は今まで面倒だっただけにとても便利だ。

 ただし、ホワイトバランスを簡単に補正できる機能は付かなかった。例えば、スポイトで指定した何点かのポイントを平均として全体の色バランスを整える機能とか、色温度単位で全体の色を上げ下げする機能などが付けばさらにうれしい。

[荻窪圭, ITmedia ]

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