Athlon 64が登場してから半年。登場当初「K8T800」「nForce3 150」それぞれ一方のみをリリースするマザーボードベンダーが多かったなかで、AOpenははじめから両方をそろえていた。今回は、それぞれのチップセットをのせたマザーを2回に分けて紹介して、Athlon 64対応チップセットの比較を行ってみた。
今回取り上げるAOpenの「AK86-L」は、VIA K8T800チップセットを搭載したATXマザーボードである。CPUソケットはSocket754で、AMDのAthlon 64用のマザーボードとなる。Athlon 64とほぼ同時に発売となったマザーボードだ。
AopenのK8T800搭載マザー「AK86-L」 最近のマザーボードは、オンボード機能を多数搭載した「全部入り」的マザーボードが多いのだが、それだけに価格が高くなる傾向にある。その点、AK86-Lは、シンプル、かつ低価格で、現在の店頭価格は概ね1万3000円台と、最新プラットフォームのマザーボードとしてはかなり手頃になっている。 オンボードで搭載している機能は、主にLAN機能だけだが、LANコントローラはRealtek RTL8110Sを搭載しており、ギガビットイーサに対応している。余談だが、BIOS設定では、このオンボードLANが「GIGA BYTE LAN」と表記されている。もちろん、転送レートが「ギガバイト」ではないことはいうまでもない。
これが噂の「GIGA BYTE LAN」設定メニュー。マザーボード競合他社でもなければ、本当にギガバイトクラスの転送レートを実現するLAN規格でもない VIA K8T800チップセットは、Athlon 64用チップセットとしては最も早くデビューしたモデルであり、搭載しているマザーボードも多い。実質上、Athlon 64対応チップセットは、K8T800とnForce3 150しか存在しないのだが、現在のところK8T800のほうが採用モデル数は多いようだ。 AK86-Lで組み合わされているサウスブリッジはVIA VT8237で、Pentium 4用チップセットのPT880やAMDのK7世代CPU向けのKT600などと組み合わされているものと同じである。VT8237でSerial ATAや8ポートのUSB2.0、Ultra ATA/133などを提供している。
Athlon 64に関して、オーバークロックにチャレンジした報告は現在のところ少ないものの、CPUである以上、マージンはある程度確保されている。そんなマージンを利用してCPUの性能を骨の髄まで使ってみたいユーザーにも、AK86-Lは応えてくれる。 FSBの設定は255MHzまでとそれほど高くないが、1MHz単位で設定が可能。CPUコア電圧やメモリ電圧の調整も可能なので、自分のAthlon 64がどの程度のマージンを持っているか調べたり、軽いオーバークロックで常用する程度なら、十分に調整できる範囲だ。 また、AMD CPU Over Heat Protection (OHP)に対応しているため、熱によるCPUの破壊に関しても「比較的」安心できる。OHPは、CPU温度が97℃以上になるとCPUニ対する電力供給を止めてしまうシステムで、CPUとマザーボードの双方が対応している必要がある。 「比較的」と書いたのは、OHPはCPUが温度をマザーボード側にフィードバックする必要があるため、CPUクーラーの付け忘れなどで急激に温度が上昇した場合ではコアが焼けてしまう可能性がある。注意しておくに越したことはない。 AK86-LのBIOSは、CDプレーヤーモードにも対応している。これはOSを起動しなくても、IDEポートに接続したCD-ROMドライブで音楽CDが再生できる機能だ。
CD Player機能はAdvanced BIOS Featuresに用意されている ほかにも、BIOSのアップデート中にトラブルが起こっても、復旧させて起動できるようにする「DieHardBIOS Lite」や、システムを以前の設定に戻すことでウイルスなどのセキュリティー対策をおこなう「EzRestore」に対応するなど、かなり高機能なBIOSを実装している。
筆者による一連のベンチマーク連載では、初めてのAthlon 64であるため、いまのところパフォーマンスを比較する対象がない。そこで、今回はIntel 865PEマザーにPentium4/2.40C GHzを載せた組み合わせたデータと比較してみることにする。AK86-Lに搭載するCPUは、Athlon 64/3200+であるため、モデルナンバーでも(実クロックでも)大きな開きがあることはご容赦いただきたい。
SYSmark2002
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