ネットカメラのビジネスを模索するアットホームジャパン撮影した画像にどこからでもアクセスできるWebカメラ。これを利用したサービスの実証実験をアットホームジャパン,IBM,松下電器が共同で行う。
アットホームジャパンは11月5日,日本アイ・ビー・エム(IBM),松下電器グループと共同でインターネットカメラ「@NetEye」の実用テストを2002年1月から開始すると発表した。専用カメラをイーサネットにつないでおくだけで,カメラが撮す画像をどこからでもWebブラウザで閲覧できるようになる。
カメラは九州松下電器の製品を使用し,アットホームジャパンが撮影した画像を置くためのサーバを提供する。IBMは,サーバなどに関わるミドルウェアを供給する予定だ。カメラ1台あたりの月額基本料金は1万円程度に設定し,ケーブルテレビ局向けソリューションや企業向けアプリケーションサービスとしての提供を予定している。 アットホームによると,既に江戸川ケーブルテレビ局エリア内の病院や養護施設など5カ所でテストの実施が決定しているほか,CATV大手のJ-COM Broadbandも実施を検討中。具体的には,エリア内の介護老人福祉施設のモニタリングなどが行われる予定だという。 「サーバ内蔵カメラ」を利用したサービス今回のテストで使用されるのは,九州松下電器製ネットワークカメラ「KX-HCM1」をベースにした端末だ。KX-HCM1は今年10月12日に発表された,Webサーバ機能内蔵型のネットワークカメラ。これをイーサネットに接続すれば,Webブラウザで直接グローバルIPアドレスを打ち込むことでカメラの映像を見ることができる。映像は「JPEGの連続画像のような形」(九州松下電器)で,毎秒15枚を撮影。リモート操作でレンズの向きを変えることも可能だ。
つまり,このカメラさえあれば,基本的にWebからカメラの画像を見ることができる。ただし,ここには1つの問題があった。「例えば,ダイアルアップなどで接続した場合は,IPアドレスがその都度変わってしまう。そうならないよう,カメラに固定のIPアドレスを割り当てる必要が生じるわけだが,これはコストもかかるし,個人向けとしてはやや敷居が高い」(九州松下電器) そこで登場するのがアットホームジャパンの@NetEyeだ。同社のサービスでは,ユーザーはまず@NetEyeのポータルサイトにアクセスしてIDとパスワードを入力する。すると,@NetEyeのサーバが自分の見たいカメラにアクセスして,画像を見ることができるようになる。ユーザーは,カメラのIPアドレスなどを気にする必要はない。 「ネットワークカメラの映像は@NetEyeのサーバに保存し,ユーザーが“再生”できるようにする。“早送り”や“コマ送り”が可能なほか,時刻を指定してカメラを予約録画することも可能だ」(アットホームジャパン)。
また,ネットワーク上でカメラの画像を扱うということで,セキュリティの面には十分に注意が払われたという。具体的には,「IDとパスワードによるアクセス制限にくわえ,@NetEyeサーバを経由せずに直接カメラのIPアドレスにアクセスしようとするパケットは排除する機能も付いている」(アットホームジャパン) ただし,公開したい画像については積極的に公開できるよう,映像にコメントを付けるだけで簡易にホームページを作成できる機能なども用意されている。また,多数のクライアントがアクセスしても映像のクオリティに影響が出ないよう,@NetEyeサイトとカメラの間のセッションを一定数に制限する機能も設けた。 広告ビジネスもアットホームでは,エンターテインメント施設などが店内にカメラを設置し,広告として映像を配信するような使い方も想定している。既に商店街での実用テストも決定しており,ビジネスプラットフォームとしての検討を進める。 同社によれば,ブロードバンドの発展と共に,個人がブロードバンドコンテンツとして動画を配信したいという要望や,個人事業者が各店舗をいつでもどこからでもモニターしたいといったニーズが高まるという。「個人用のセキュリティ重視の通信がメインになるのか,事業者などによる広告的使われ方が増えるのかは今のところ分からない。市場のニーズにまかせたい」 多くの可能性が見えるインターネットカメラサービス。アットホームでは,2002年春以降の本格サービス開始を目指している。 関連記事 関連リンク [杉浦正武,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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