個人放送局に見る“素人コンテンツ”の可能性――「brst.TV」

2人のデジタルハリウッド卒業生が,お笑いコンテンツを集めた個人放送局をオープンしている。ブロードバンドサイトは個人でも,簡単に作れるものなのだろうか?

【国内記事】 2002年3月15日更新

 ブロードバンド環境が整えば,個人がストリーム配信を行って“個人放送局”を開設できる。とはいえ,それを実行したユーザーが,どれだけいるだろうか?

 3月15日,ラフォーレ原宿で,マルチメディア関連技術の専門学校デジタルハリウッドの卒業生たちによる優秀卒業制作が発表された。その中の1つ,素人のお笑いライブをストリーム配信するブロードバンドサイト「brst.TV」を実際に立ち上げた,宮谷大さんと十文字新さんに,話を聞いた。


本科デジタルコンテンツプロデュース生の,宮谷大さん(右)と十文字新さん(左)

 brst.TVは,短時間のストリーム動画を集めた無料ブロードバンドサイト。現在は「お笑いチャンネル」が用意されており,3月15日現在で50コンテンツをそろえる。コンテンツは,毎週土曜日に3つずつ追加される仕組みだ。

 「軽い気持ちで,卒業制作では動画サイトを作ろうということに決めた。そこで,短時間で動きが少なく,おもしろい動画といえば,お笑いがいいと考えた」(宮谷さん)。

 思い立った二人が次にとった行動は,カメラを持って大学のお笑いサークルなどを回ること。ほかにも出演を希望する素人や,劇場に出演経験のある芸人などの「ネタ映像」を集め,3カ月を経て現在のコンテンツ数にいたる。

 「まだ“出番待ち”している芸人さんもいて,毎週3コンテンツの追加はあまり苦にならない状況。取り上げている芸人さんの中には事務所に所属する人もいるほか,プロを目指している人も多い」(十文字さん)。

 現在,「ほぼ日刊イトイ新聞」へコンテンツを提供する話が進行しているほか,P2Pシステム「シェアキャスト」の実験にも参加している。サイトは1日で約200アクセスを集め,1週間で約1000ストリームを配信しているという。

サーバはレンタルで月に4〜5万円

 サーバ運営費については,レンタルサーバを利用して月4〜5万円に抑えているという。

 「無料サーバなどいろいろ裏口を使って,できるだけコストを抑えている。ほかに,撮影に出かける時の交通費もバカにならない」(宮谷さん)。

 もちろん,こうしたサーバ設備は,企業の運営する有料サービスのインフラとは比べるべくもない。実際,「過去にほかのメディアに取り上げてもらった時は,アクセスが増えてすぐにパンクしてしまった」(同)。

 だが,両氏は「エンコードの技術などは,有料サービスと比べてもそれほど遜色ないはずだ」と主張する。

 「大手のサービスでも,エンコード時にインタレース除去ができていない,非常に汚い映像を配信しているケースがある。また,お笑いコンテンツは音声と映像のバランスが大事なので,そうした面の調整もしている」(十文字さん)。

「オープンで,フラットなサイト」

 brst.TVは,無料サイト。現時点で収益はない。今後について2人は,「ISPなどにコンテンツを提供して,B2B的に収益を上げられないかと考えている」と話した。

 だが,同サイトはもともと,もうけるために作ったものではない。従来の動画サイトと,大きくコンセプトが異なるところが重要だという。

 「サイトは,視聴者にも参加者にもオープンにした。また,実績ある芸能人も素人も同列に扱う,フラットな場所。しかも,無料で視聴できる」(宮谷さん)。「個人の表現の後方支援をしたい」と,その狙いを話してくれた。

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[杉浦正武,ITmedia]

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