ニュース 2002年5月30日 00:38 AM 更新

「C.x」標準化への道


 距離に関わらず下り速度を500Kbps上乗せするという米GlobespanVirataのADSL技術「C.x」(/broadband/0204/15/acca.html)。採用を決めたアッカ・ネットワークスは、電信電話技術委員会(TTC)の標準化を待っている。

 C.xの標準化で焦点となるのは、昨年11月にTTCが制定した「スペクトル管理標準」。これは、複数事業者が提供するサービス(加入者回線)間で発生する漏話の許容範囲を明確化したもの。「集合住宅で快適な生活を送るために管理規約が必要なように、電話ケーブルにおいてユーザーが満足できるサービスを提供するため、事業者が守るべきルール。最終的には利用者の利益を守るものだ」(TTC)。

 つまり、「NTTの電話線を使う以上、他サービスへの影響は避けられない」(Globespan)という前提の上で、それぞれの伝送方式が互いに満足できる許容範囲を定めているわけだ。言葉は悪いかもしれないが、“程度の問題”となる。

 新しい伝送方式が出てきたときには、まずシミュレーションを行い、標準規格に示された計算方法にしたがって他回線に対する影響の度合いを調査。既に広く普及しているISDNやADSL(Annex A/C)の伝送性能が、基準値よりも低下しないことを立証する必要がある。

 シミュレーションの結果を検討するのは、各事業者や機器メーカーの代表からなるTTCのサブワーキンググループだ。C.xの場合は、ここでNEC、住友電工、Globespanの結果が提出され、問題はないという結果が出た(5月24日の記事を参照)。

 ただし、TTCの標準化手順では、この後にもいくつかの段階が残っている。ワーキンググループでの合意をもとにドキュメントが制作され、WGの上に位置する専門委員会にかける。これを通過したら、各委員会を統括する部門委員会。「ここで承認を得られた場合は、11月28日の標準化会議で会員の投票が行われ、その日のうちに制定となる」(TTC)。まだ半年間は議論が続くわけだ。

 とはいえ、ワーキンググループの協議結果がそのまま標準に反映されるケースが一般的のため、アッカとしては最大の難関をクリアしたことになる。おそらく、同社が目指す年内のサービス開始は達成できるだろう。

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関連リンク
▼ 電信電話技術委員会
▼ GlobespanVirata
▼ アッカ・ネットワークス

[芹澤隆徳, ITmedia]

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