ニュース 2002年12月11日 10:51 PM 更新

「iEXPO2002」が東京ビックサイトで開幕

「iEXPO2002」の展示会場では、約120社がビジネス向けITソリューションの提案に力を入れている。中でも注目を集めているのは、分かりやすい形でコストダウンが可能なブロードバンドとIP電話の活用だ

 NECと日経BP社が主催する「C&Cユーザーフォーラム」「iEXPO2002」が有明の東京ビックサイトで開幕した。展示会場では、NECグループとパートナー企業の約120社がブースを構え、ビジネス向けITソリューションの提案に力を入れている。中でも注目を集めているのは、分かりやすい形でコストダウンが可能なブロードバンドとIP電話の活用だ。

 NECカスタマックスは、2003年春の発売を予定している「Message Center」を使い、SIPによる内線IP電話機能のデモンストレーション。Message Centerは、NATやDHCPサーバといったゲートウェイ機能を備えた中小企業向けのPC-PBX/サーバだ。OSにWindows XP Embeddedを採用しており、ファイルサーバやメールサーバとして使うことも可能。「小規模な拠点であれば、1台で業務に必要な機能をほとんどまかなうことができる」(同社)。


内線電話のユーザーインタフェースには、NTT-MEの「WAKWAKコール・ゴー・ゴー」にも採用されたUSBハンドセットを提案

 もちろん、ADSLなどを組み合わせて外線電話もIP化することができる。例えば、NTT-MEの「XePhionコールPro」に加入すれば、契約者間(企業の拠点同士あるいはパートナー企業)の通話が無料になるほか、一般加入者電話への発信も全国一律3分10円。展示では、3つの拠点と本社をつなぐ例を挙げ、通話料が大幅に削減できることをアピールしていた。

PDAがIP電話を変える?


巨大なPocket@iが目を引く「PDAフォン体験コーナー」。Pocket@iとPocketGearを使い、VoIPを試用できる

 NECインフロンティアは、小型レーザースキャナを備えた業務用PDA「Pocket@i」(ポケットアイ)とVoIPを組み合わせるIP電話システムを展示、その音質を確認できる「PDAフォン体験コーナー」を設置した。Pocket@iには無線LANモデルとPHSモデル、そして無線LAN&VoIPモデルという3つのラインアップがある。VoIPモデルは2003年3月の出荷予定だが、一足先にPDAフォンを体験できるのがこのコーナーだ。


Bleetoothユニット(本体下部に装着)とBluetoothヘッドセットにより、ハンズフリー通話も可能になる。このBluetoothユニットは、PHSモデルの出荷(2003年1月末を予定)に合わせて発売する予定だ

 「想定ユーザーは、流通業や製造業など迅速な商品管理や発注が必要になる業種。また最近では、ミスを防ぐために薬をバーコード管理する用途もあり、医療分野への導入も期待している」(同社)。音声とバーコードの両方で確認が行えるのは、Pocket@iならではの機能といえそうだ。

 体験コーナーでは、H.323のクライアントソフト(デモ機ではTABLEmediaの「iFon」)を使用しているが、同社によると「クライアントソフトは未決定」。デモンストレーションでは音声が断続的に途切れる症状も見受けられ、同社は調整と別のソフトウェアの評価を平行して進めている模様だ。

 なお、NECインフロンティアがH.323を採用したのは、コミュニケーションゲートウェイの「Aspire」シリーズが既に同規格をサポートしていることによる。ただし、SIPの需要も多く、2003年6月を目標にSIP対応版Aspireの開発も進めているという。

ネット経由で施設監視

 インターネットを使い、各種施設の遠隔監視を実現するのが、同じくNECインフロンティアが販売している「コルソスCSDX」。なかなか人手を避けない工場内の生産設備監視や、人が入りにくい下水道設備の監視など、さまざまな場所での利用が想定されているという。


各種施設の遠隔監視を実現する「コルソスCSDX」

 コルソスは、各種センサーや計測機器の信号を監視・記録し、異常が発生したときには音声(アナログ電話)やeメールで管理者に通報してくれるシステム。本体にWebサーバ機能があり、管理者はPCやPDA、携帯電話といった手段でコルソスのWebインタフェースにアクセス。状況を確認できるのがメリットだ。

 「これまで、障害が発生したときは現場に行かなければ状況は分からず、対処も遅れがちだった。コルソスであれば、通報を受けたら、まずWebで状況を把握し、現場に行く前に通報や応援の要請といった処置が可能になるだろう」(NECインフロンティア)。

 インタフェースはデジタル入力×16系統(無電圧)とアナログ入力×8系統。さらに8系統のデジタル出力があるため、「異常を確認した装置を、とりあえず停止させることもできる」。

 このほか、通信用のCFカードスロット×2、イーサネットポート、そしてモデムを内蔵している。CFスロットはPHSやPo-Paに対応予定(2003年1月予定)。さらに、将来的には音声通報のVoIP化やWebカメラとの連携、インターネット利用時のVPNサポートなどを追加していく方針だという。

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▼ 公式ホームページ

[芹澤隆徳, ITmedia]

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