ニュース 2002年12月18日 01:56 AM 更新

BIGLOBEのIP電話を使ってみました

BIGLOBEとフュージョン・コミュニケーションズのIP電話サービス「FUSION IP-Phone for BIGLOBE」が試験サービスを開始。モデム一体型VoIPアダプタとともに「050」電話番号の配布も既に行われている。その使い勝手は?

 BIGLOBEとフュージョン・コミュニケーションズのIP電話サービス「FUSION IP-Phone for BIGLOBE」の試験サービスが始まった。12月9日よりADSLモデム内蔵VoIPアダプタの発送が始まり、「既に使い始めているユーザーもいる」(同社)という。今回は、NEC社内に設けられたデモ用システムを試用させてもらった。


NECアクセステクニカ製の「AtermDR302CV」は、ADSLモデム、VoIPアダプタ、ルータの1台三役。型番の最後にある“V”が“VoIP機能付き”の証だ

 FUSION IP-Phone for BIGLOBEは、「使いほーだいADSLeコース」(イー・アクセス回線、1.5M/8M/12Mbps)ユーザーを対象としたIP電話サービスだ。「050」着信番号の配布も行われており、FUSION IP-Phone加入者同士の無料通話や加入者電話からの着信(2003年夏以降)に利用できる。

 VoIPアダプタには、ADSLモデム一体型の「AtermDR302CV」(NECアクセステクニカ製)を採用した。これは、分離型を使った場合の“複雑な配線”や“電源の確保”といった煩雑さを避けるため。BIGLOBEは、KDDI&日本テレコムNTTコミュニケーションズが提供するIP電話にも参加を表明しているが、「できるなら、今後もTA型は使いたくない」(NECソリューションズ、パーソナルBIGLOBEサービス事業部長代理の古関義幸氏)という。


スプリッタは別。まず電話回線をスプリッタで分岐し、「ADSL回線」(上)と「電話回線」(上から2番目)に接続。その下にあるアナログポートと電話機を繋ぐ。下はLAN側イーサネットポート。ルータ機能を内蔵しているため、ハブを用意すれば複数台のPCでインターネット接続を共有できる


本体前面には6個のランプがある。上から「LINE」「PPP」「LAN」「DATA」「VoIPランプ」「Power」。ADSLモデムにある一般的なランプ類にVoIPランプが付加されたかたち

音質はまずまず

 FUSION IP-Phone for BIGLOBEを利用するには、まず通常のADSLモデムと同様にインターネット接続の設定を行う必要がある。これは、BIGLOBEの専用ページから「050」番号を取得・設定するため。番号を取得すると、モデムの「VoIP」ランプが赤から緑色に変わる。

 緑色の状態で受話器を上げると、「ブブ…」という低い音が聞こえる。これがIP電話レディの状態だ。IP電話と加入者電話の切り替えは自動で、ユーザーは意識する必要はない。加入者電話でかけたい場合は、スイッチの切り替えによって加入者電話固定に設定することもできる。

 今回は同じ試験サービスに加入している通話先がなかったため、加入者電話に発信してみた。音声コーデックは非圧縮のG.711(64Kbps)のため、通常の電話と比べても音質は全く遜色はない。もちろん、携帯電話よりは数段上だ。また遅延に関しても、少なくとも認識できるレベルではなかった。

 このとき、ランプはIP発信中を示す緑色の「点滅」。一方、携帯電話や緊急電話、国際電話など、今のところFUSION IP-Phone for BIGLOBEがサポートしていない番号をダイヤルした場合は、ランプがオレンジ色で点滅する。これが加入者電話経由で発信している証拠だ。


携帯電話に発信中。オレンジ色の点滅は通話料が発生していることを示す(本サービス開始後は、IP通話でも3分8円の通話料が発生する)

 また古関氏によると、2月の本サービス開始時には国際電話にも対応するという。フュージョンが提供するIP中継電話では、米国、カナダ、韓国など230カ国への国際発信が可能だが、今回のFUSION IP-Phoneでも、基本的にこれらの国をすべてカバーする方針だ。また、携帯電話への発信についても「フュージョン側が各キャリアと交渉を進めている。国際通話が可能になったあと、順次対応するだろう」(同氏)。

 本サービス開始後の料金は、500円の番号発行手数料(初回申込み時は無料)、月額380円の基本料金と月額700円のVoIPアダプタレンタル料金など(詳細は10月の記事を参照)。ただし、前述のようにアダプタがADSLモデム一体型のため、ADSLサービスのモデムレンタル費用(月額500円)は必要なくなる。

 なお、試験サービスのモニター募集は1万人限定だが、12月18日時点ではまだ応募できる模様だ。締め切りは12月25日となっている。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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