リビング+:ニュース 2003/04/24 23:50:00 更新


NTTデータ、マルエツなどが無線ICタグの実証実験

NTTデータ、丸紅など4社は、無線ICタグを活用した食品流通システムの実証実験を行う。生鮮食料品や日配品に無線ICタグを取り付け、スーパーの店頭に読み取り機を設置。消費者は商品の“素性”を知ることができる

 NTTデータ、丸紅など4社は、無線ICタグを活用した食品流通システムの実証実験を9月頃をメドに実施する計画を明らかにした。食品が製造されてから消費者の手に渡るまでをトレースし、効率的なSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を行ううえで、無線ICタグの有効性や課題を検証するのが目的だ。

 ICタグは、読取装置と無線通信を行い、必要な情報をやり取りできる小型ICチップ。読み取り時に汚れやほこりの影響を受けにくいうえ、複製や偽造が困難であることなどから、バーコードに代わる物品の識別方法として注目されている。

 ICタグを流通システムに利用するメリットのなかで、一番エンドユーザーに分かりやすい点は、複数のタグを一括して読み取り可能なことだろう。例えば、スーパーの商品がすべてICタグを実装していると、レジで買い物カゴから商品をいちいち出さずに“一括精算”が行えるようになる。レジ待ちの行列が解消できるはずだ。

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大日本印刷のICタグ実装例

 また、専用のICタグ読みとり機があれば、その商品がどのような経路でスーパーに届いたかを一覧できる。近年、食品の安全性に対する懸念が増大しているが、ICタグの情報を一般買い物客が閲覧できるようにすることで原材料や流通経路を明らかにし、消費者の不安解消につなげることができるという。

「買い物客のレジ待ち時間の短縮によるサービスの改善、および自社の物流効率化を検討している。また、店頭において(食品の)安心・安全の情報を積極的にお知らせしていきたい」(マルエツ)。

 今回の実証実験では、青果、精肉、鮮魚などの生鮮食料品や日配品、加工食品、日用雑貨等の商品個品に無線ICタグを取り付け、マルエツが提供する実験店舗に読み取り機を設置。店頭の読み取り機では、「生産者からのメッセージ」や「おいしい調理方法」など付加情報も提供するほか、逆に消費者が商品を使用した感想や意見を店舗や生産者に直接知らせるといった利用方法も検証する。

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ICタグ読み取り機の例。写真は東急ストアに試験導入されたものと同型

 さらに、物流過程の各拠点に設置された読み取り装置で得た情報をNTTデータの情報センターに蓄積・分析することで、「生産から消費に至る各プレイヤーに情報提供を行い、消費者志向の流通市場最適化について検証する」という。実証実験の参加企業は下記の通り。

企業役割
マルエツスーパーチェーン。店舗提供
NTTデータ情報センターの構築・運営。情報プラットフォーム提供
丸紅・マイティカードICチップと技術ノウハウの提供
大日本印刷ICタグの製造およびパッケージング技術の検証
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関連リンク
▼ニュースリリース(NTTデータ)

[芹澤隆徳,ITmedia]



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