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2003/12/02 17:24:00 更新 |
2.2Mbpsに高速化するReach DSL 〜登場は来年春か?
NTT局舎から距離が離れたユーザーを対象とした、“長距離向けADSL”ことReach DSL。パラダインが上り/下りともに最大2.2Mbpsを実現する「Reach DSL V2.2」対応端末を製品化しているが、先月末にはスペクトル適合性も確認された。これをうけて、来年春にもサービスが実現されそうだ。
NTT局舎から距離が離れたユーザーを対象とした、“長距離向けADSL”ことReach DSL。既にパラダインが上り/下りともに最大2.2Mbpsを実現する「Reach DSL V2.2」対応端末を製品化しているが、先月末には情報通信技術委員会(TTC)で、スペクトル適合性も確認された(適合性確認結果報告書のページ)。これをうけて、来年春にもサービスが実現されそうだ。
Reach DSLは、低帯域を活用することで、高周波帯域でのノイズや、距離による信号減衰の影響を受けにくい伝送方式。パラダイン独自の転送方式「ATDD」(Adaptive Time Division Duplex)を採用しており、データ送信量に応じて、必要な方向に帯域を割り当てて通信を行う。このため、100kHz以下といった低帯域でも帯域を有効活用できる。
従来の「Reach DSL V2.0」では、上り下りともに最大960kbpsの通信速度を実現していた。しかし、最新の「Reach DSL V2.2」では、上り下り速度とも最大2.2Mbpsに向上。「近距離では従来の2倍以上のパフォーマンス、4〜7kmでも1Mbps前後の通信能力を実現する」(パラダイン)という。
同社のホームページには、Reach DSL V2.2に対応したDSLAM/ADSLモデムの詳細が公開されている。モデム「ADSL/R Modem 6381」のスペックを見ると、ReachDSL V2.2とADSL(8M/12M)の両チップを搭載。センター機器に応じて、自動で通信方式を切り替える方式となっている。ほかに、ブリッジモード/ルータモードを切り替えられるほか、PPPoA/PPPoEの両方をサポートする。
気になるのは、今後この技術がどの事業者によってサポートされるかということ。同社のホームページには「提供事業者」の一覧表が掲載されている(*ただし、一部事業者名は非公開)が、この中の事業者が導入を検討しているようだ。
注目は、やはりYahoo!BBで同技術がサポートされるかだろうが、同社に聞いた限り現状では微妙。導入するには、なかなか難しい側面もあるようだ。
いずれにせよ、端末も製品化され、スペクトル適合性も確認された以上、サービスが開始されるのは時間の問題であるはず。「来年早々に……とはいかないかもしれないが、春頃にはサービスが提供されるのでは」(パラダイン)。実現すれば、現在9万人超とされるReach DSLユーザー数が、さらに増えることにもつながるかもしれない。
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パラダイン・ワールドワイド・コーポレーション(日本支社)
[杉浦正武,ITmedia]