腕時計型の携帯電話は近未来の夢の姿。日本でも腕時計スタイルのPHS、「WRISTOMO」が話題になったのは記憶に新しい。ところが実は中国でも、昨年から腕時計型のCDMA端末が発売されているのだ。
中国CEC社の「F88」は韓国Telson製の腕時計型CDMA端末。R-UIMカード方式を採用しているため、GSMやW-CDMA同様、カードの差し替えで端末を使い分けることができる。重量は98グラム、電話本体部分のサイズは36.2×71×14.95ミリ。液晶が左にはみ出ており、腕時計というにはやや大きいものの、腕に装着できるサイズだ。
ベルトの片側にはテンキーが備わっている。腕に装着した感じは、ちょっと大き目の腕時計をはめた感じに似ていなくもない。
パッケージはアルミのアタッシュケース風で、メーカーの力の入れ方がこんなところからも見て取れる。ただし内部に鏡があることから、化粧品関係のケースを流用したと思われる。中にはF88本体、卓上充電台、周辺機器の入った箱、バッテリー2個、ヘッドセットなどが入っている。
F88は腕に装着したまま使うことを想定している。通話方法は簡単で、ベルト部分の数字キーから電話番号を押し、数字キー下にあるマイクに向かって話せばいい。相手の声は本体の方向キー真中にあるスピーカーから、スピーカーフォンとして聞こえてくる。すなわち、相手の声が周りにそのまま聞こえてくるわけだ。
もちろんアドレス帳からの発信にも対応している。アドレスにはVoice Tagを付けることができ、音声応答で電話をかけることも可能。例えば山田氏の電話番号に「や・ま・だ」と自分の声を録音しておけば、音声応答モード時に受話部に向かって「や・ま・だ」と話すと、山田氏に電話をかけてくれる。
ただし四六時中スピーカーから相手の話し声が聞こえてきては困る場合もある。そのような場合に備え、F88には3つの周辺機器が付属している。
有線ヘッドセットは、ごく普通のヘッドセットで、これを使えば相手の声はイヤホンから、自分の声はケーブル途中のマイクから拾ってくれる。
赤外線ワイヤレスイヤホンはIrDA方式の無線ヘッドセットだ。赤外線ワイヤレスイヤホンとF88のIrDAポートを向かい合わせると、ちょうど口が受話部のそばにくるためなんとか通話ができる。
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