News:“賃貸住宅ブロードバンド”のススメ──後編 2000年11月2日 11:59 PM 更新

“賃貸住宅ブロードバンド”のススメ──後編:一応ハッピーエンド(2)

関電工がきたぞっ

 いよいよ工事である。が,それまでに約2週間待たされた。時期が時期だけに混み合っていたらしく,通常なら待っても1週間程度だという(おのれシドニーオリンピック)。

 工事に来てくれたのは,関電工の2人組だ。渋滞にはまって遅れてきたうえ,若い茶髪のおにーちゃんだったので少し心配(偏見である)だったのだが,そこはプロフェッショナル。てきぱきと作業を進めていく。ここからはしばしPhoto Reportでどうぞ。


電線から同軸ケーブルを分岐させているところ。道行く人々がもの珍しげに眺めていく


問題の空気穴。中の網を少しだけ切り,ケーブルを通した


祝!開通。床にうねっている別のケーブルはスピーカー用。もう1本増えたところで見苦しさは変わらない


ケーブルモデムはオーディオラックに置く。本当はルータタイプが欲しかったが,東急CATVにそのメニューはない。ルータの使用は許可されているので,セキュリティも兼ねて後で購入することにする

 屋内に引き込む同軸ケーブルは,後々の模様替えも考えて10メートルにしてもらった。ついでに,ケーブルモデムとパソコンを繋ぐ10BASE-Tのケーブルも10メートルのものを作ってもらう。これまでも4ポートハブと10BASE-TでワンルームLANを構築していたので,実はケーブルは余るほどあるのだが,ただで作ってくれるものはやっぱりもらっておく。ケーブルモデムとTVチューナーをオーディオラックに設置して,工事は終了だ。この間,およそ1時間半。意外とあっけない。

 おにーちゃん2人が帰ったあと,早速接続してみた。平日の午前中ということもあり,さすがに速い。試しに,8Mバイトの「RealPlayer」をダウンロードしてみたが,1分とかからなかった。体感速度は,専用線の社内LANと同等と言っていい。

ブロードバンドが生活を変える

 この日から,インターネット接続の習慣が少し変わった。例えばメール。仕事柄,ニュースリリースなどを含むメールの数は1日平均100通近くなる。ダイヤルアップ時代は,すべて読み込んでいては時間も通信費も馬鹿にならないので,自宅ではサブジェクトと最初の5Kバイトのみをダウンロードする設定にしていた。しかし,これからは高速な常時接続だ。あっという間に添付書類まですべて読み込める。

 また,常時接続のメリットは別のところにも現れた。大きなファイルも,ダウンロードを開始したら終わるまでディスプレイの前で待つ必要がない。その間に風呂を入れたり,洗濯したり,はたまたトイレに立ったりと,ほかの作業をしていていいのだ。ダウンロードが終了して時間が経っても,課金が増えるわけではないのだから。

 時間を気にしなくていいというのは,思った以上に快適だ。よく言われることだが,一度,高速な常時接続になれてしまうと,窮屈なダイヤルアップ環境には,もう戻れないカラダになってしまう。これ,本当の話。

 今回,CATVを引くには諸費用込みで6万円近くかかった(引っ越しにかかった費用を加えるとその10倍に跳ね上がる)。薄給の身には苦しいが,対コスト効果としては悪くないというのが正直なところだ。自宅の環境に満足がいかない人は,CPUやグラフィックボードを最新のものに変えるよりも,そのお金でインターネット環境に手を付けることをお薦めしたい。

 さて,無事ケーブルインターネットが開通した翌々日,るんるん気分(死語)でWebサーフィン(死語その2)を楽しんでいたところ,ポストに1枚のショッキングなチラシが舞い込んだ。

「東急ケーブル,20世紀最後のキャンペーン。今なら新規加入料が2000円オフ!」

 前回と同じオチで申し訳ない。

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[芹澤隆徳, ITmedia]