News:ニュース速報 | 2002年9月24日 11:16 PM 更新 |
オリンパス光学工業と米Eastman Kodakは9月24日、レンズ交換式一眼レフデジタルカメラの新規格「Four Thirds System」を発表した。撮像素子の大きさを4/3型(Four Thirds)に固定することでメーカーごとのレンズ互換性を保証する。富士写真フイルムが賛同しており、同規格に基づく製品の開発を進める。
新規格は、コンパクトなレンズ交換式一眼レフデジタルカメラを実現するのがねらいだ。現行の一眼レフデジタルカメラが既存の銀塩一眼レフシステムとの互換性を重視しているのに対し、新規格はデジタルカメラに適した光学設計に基づく新しいレンズシステムを1から構築するのが特徴だ。
銀塩用に設計されたレンズをCCDやCMOSセンサーで使用する場合、(1)周辺光量の不足や色にじみが発生する、(2)銀塩用レンズの解像力では数μメートルピッチのセンサーに対応できない──などの問題が生じてしまう。
また24×36ミリのフィルムサイズに対応できるイメージサークルを確保する以上、レンズの大きさもどうしてもある程度は必要になる。だが現状では、現実的な価格のセンサーは35mmフィルムサイズより大幅に面積が小さい。そのため35mmフィルム用レンズを装着するとイメージサークル中心部以外は利用できず、画角も狭くなる(円の中心部を切り取る形になる)。もっとも高画質な中心部のみを使用できるのはメリットとも言えるが、その分システム全体のコンパクトさは犠牲になってしまう。
新規格のセンサーサイズは約18×13.5ミリ(対角長さ約22.5ミリ)に規定されている。例えば35mmカメラ用300mm望遠レンズを新センサーで使用すると、画角は600ミリ相当となる。つまり銀塩の300mm望遠程度のサイズで600mmの超望遠レンズが実現できることになる。両社は35mmカメラ向けのほぼ半分のレンズ全長で同画角のレンズを設計できるとしており、レンズ交換式ながらコンパクトで機動性の高い一眼レフデジタルカメラシステムが構築できるわけだ。
センサーが小さい分、35mmフルサイズCCDなどを搭載したハイエンド機には画質で劣ることになる。だが現状のコンパクトデジタルカメラでも高画素化が進み、既に画質に満足しているユーザーも多いだろう。新システムはこうしたユーザーに対し安価なボディと豊富なレンズシステムを提供する。手軽に本格的な撮影が楽しめ、デジタル写真表現の幅も広がるだろう。
新規格で策定するのは、レンズマウントとフォーカスバック長、イメージサークル径など。マウントは形状に加え、レンズ−ボディ間のデータ通信システムなども規定する。
オリンパスとKodakは新規格を推進する業界団体「Universal Digital Interchangeable Lens System Forum」を設立、幅広く賛同メーカーを募る。商品化は来年以降になる見込み。
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[ITmedia]
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