デスクトップ型Tablet PCが近く登場しそうだ。マイクロソフトは10月21日、Windows XP Tablet PC Editionのライセンス提供形態を拡張し、「DSP」(Delivery Service Partner)版の提供を11月下旬から始める。サードウェーブらが搭載製品の販売を表明しており、PCショップによってはOS単体の販売もありうるという。
同日、マイクロソフト本社でサードウェーブ製のデスクトップ型Tablet PCが参考出品された。ワコム製15インチ液晶タブレットを使用し、Tablet PC専用ソフト「Windows Journal」などが起動していた。このほかアプライド、クレバリー、サクセスが製品リリースを表明した。
通常のデスクトップPCと同じように使いつつ、必要に応じて液晶タブレットによる手書き入力機能も使用できる。ノート型と比べ、サイズが大きい液晶を選択できる上、本体のカスタマイズの自由度も増し、多彩な用途への対応が容易になる。
DSP版について、マイクロソフトは「完成品としての提供を想定している」としてるが、ショップの判断によってはOS単品の販売もありうるという。例えば自作マシンに同OSをインストールし、ワコム製液晶タブレットを接続すれば、通常のTablet PCとして動作するという。
ノートPC向けに展開してきたTablet PCだが、一方でデスクトップ型への要望も多かったという。特に(1)医療機関の電子カルテ、(2)学校教育、(3)グラフィックス制作──といった用途だ。
例えば「電子カルテ用途の場合、ディスプレイは15インチ以上が必要な上、ノートPCよりハイスペックなマシンが求められている」(同社ビジネスWindows 製品部の飯島圭一シニアプロダクトマネージャー)。グラフィックス制作ではTablet PCの文字入力機能へのニーズがあるという。制作中にキーボードに手を伸ばす必要がなくなるからだ。
これまでデスクトップ型がなかったのは「マイクロソフトがモバイル中心でやってきたから、という面もある」(飯島氏)が、「マーケットは日々変化し、デスクトップの需要が出てきた」と「盲点」への注力も進める。かつてソニーが液晶タブレットをセットにした「バイオLX」を販売していたように、大手PCメーカーからデスクトップ型が販売されることも十分ありうるとしている。
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