すでにニュースでお知らせしたように、GeForce 6600GTのAGPバージョンがNVIDIAから発表された。GeForce 6600シリーズの発表会で「AGP版は11月ごろの予定」と述べていたので、当初のスケジュールどおりの登場となる。
NVIDIAによると、すでに多くのグラフィックスカードベンダーがこのGPUを搭載した製品を開発中とのことなので、店頭にもまもなく姿を見せることになるだろう。今回は、そのリファレンスカードが急遽入手できたので、PCI Express版との違いや、気になるパフォーマンスなどを、まずは速報で紹介することにしよう。
AGP対応のGeForce 6600 GTがサポートする機能はPCI Express対応のGeForce 6600 GTと同等、GPUチップの内部構造もまったく同じといっていい。ただし、もともとGeForce 6600シリーズはPCI Expressにネイティブ対応のため、そのままではAGPバスで利用できない。
そのため、AGP対応GeForce 6600GTグラフィクスカードには、GPU側のPCI ExpressインタフェースとAGP側のバスの架け橋となる「HSI」チップが実装されている。これは、最初に登場したGeForce 6シリーズ「GeForce 6800」ファミリーがGPU側のAGPインタフェースとスロット側のPCI Expressバスの掛け橋にHSIチップを必要としていたのと(用途は逆ながら)同じである。
また、PCI Express版ではなかったパワーコネクタがAGP版ではカード上に用意されるようになった。これは、PCI ExpressのバスからはGeForce 6600 GTが動作するのに十分な電力が供給できたのに、AGP規格により制約やHSIというパワーを必要とするチップが増えたことなどから、バスパワーだけでは不足してしまう電力を外部から供給する必要があったためだ。
なお、NVIDIAの発表ではAGP版GeForce 6600GTはNVIDAI SLIに対応しないことになっている。たしかにリファレンスカードを見ても、NVIDIA SLI用のブリッジチップコネクタは設けられていない(その付近になにやら込み入ったパターンや回路が集中しているような気もするが)。
GPU自体にNVIDIA SLIのインタフェース回路が内蔵されているかについてNVIDIAは明言していないが、仮に内蔵されているとしても、もともとNVIDIA SLIはPCI Expressを前提にした技術であって、AGPの仕様とパフォーマンスでは、台湾ベンダーお得意の「むりやり」使えるようにするのも至極困難だろうと想像される。
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