キーボードは、キーピッチが19ミリ、キーストロークが2.5ミリ。実際に入力した感触としては、キーストロークの深さがあるのでキータッチは比較的固めでクリック感があり、入力がしやすい。ただし、ファンクションキーや「Ctrl」キー、「fn」キーなど一部のキーがかなり小さくなっているので、ある程度慣れが必要だろう。
ポインティングデバイスは、同社のタブレットPCではおなじみのポイントスティックを備えるほか、一般的なノートPCでおもに採用されているタッチパッドも備えており、他社のノートPCからの乗り換えも容易に行える。
インタフェース類は、背面にモデム、LAN、VGA、S-Video出力、USB2.0×1。左側面にはUSB2.0×1、電源スイッチ、無線LAN/Bluetoothのオン/オフハードスイッチとスピーカー。右側面にはPCカードTypeIIスロット、SDメモリーカードスロット、USB2.0×1、オーディオ入出力端子を備える。
注目したいのは、USB2.0端子を各面にそれぞれ1基ずつ搭載する点だ。コンバーチブルタイプの場合、タブレットモードに切り替えて持ち運びながら使用する場合が多々ある。その場合、手で掴む部分(タブレットモードで縦画面表示にした場合の右側面)や胸・お腹に当たる部分(同下面)はなるべくすっきりさせておきたいものだが、tc4200ではUSB2.0端子が3面にあるので、たとえばUSBメモリなども上面に挿したまま使用できる。
また、スピーカーを本体の左側面手前(ノートPCモード時)に搭載している点もよく考えられている。左側面はタブレットモードで縦画面表示にした場合は上面となるため、スピーカーも上面に来ることになる。スピーカーが下面にあると胸やお腹などで遮られ音がこもってしまうが、この配置なら遮られることなくクリアな音声を出力可能だ。
無線LAN/Bluetoothのオン/オフスイッチが用意されている点も重要だ。発着直前の飛行機内や病院など、無線LANの電波の切断が必要な場所はまだ多い。そうした場合に素速くハードウェア的にオフにできるのは、いろんな場所に持ち運んで使用するモバイル系のPCでは重要な要素だと言える。
このほか、ディスプレイの開閉やバッテリ交換などを片手でできるようにしたり、周辺の明るさに応じてディスプレイの輝度を自動調整する「周辺光センサー」を備えるなど、携帯して使用する際の利便性を高める配慮も随所に感じられる。
バッテリ駆動時間は標準で約5.4時間(JEITA値)だが、別売の「セカンダリトラベルバッテリ」を装着することで、最大約11時間の長時間駆動も可能。バッテリの充電時間については、90%充電までを約1.5時間で高速充電できる「HPファストチャージテクノロジ」を搭載しており、オフィスにいる時間が短い多忙なビジネスマンにも嬉しいところだ。
ちなみに、サイズについては不満のない大きさだが、重量は標準で2.08キロとやや重めのため、タブレットモードにして長時間抱えて使っていると、やはり少々手が疲れる。コンバーチブルタイプの場合、回転のギミックを備える必要があるためどうしても重くなってしまいがちだが、せめてもう200〜300グラム軽ければ印象がガラリと代わったと思われるので、次モデルに期待したい。
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以上tc4200を一通り触ってみたが、1スピンドルのノートPCとして見ても十分使いやすく、かつタブレットPCとして見ても申し分のない作りに仕上がっており、タブレットPCの新たな需要を満足させるのに十分な完成度を備えている。
特に、これまでのコンバーチブル型タブレットPCの中には、ノートPCとして使うと違和感を感じたり、スペックがその時の時流から遅れている製品もあったが、tc4200はノートPCとして見ても最新機種と全く遜色のない仕上がりになっている点が評価できる。また、Celeron M搭載の低価格モデルも用意されているので、他のコンバーチブルモデルと比べても比較的安価に購入できるのも魅力の1つだ。
tc4200は、これまでにコンバーチブルモデルを使ってきた従来のユーザーはもちろんのことだが、タブレットPCを使ったことのないユーザーにこそ是非試してみてほしいモデルだ。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日