MacBookはCore 2 Duo搭載の最強バリューノートか(1/3 ページ)

» 2006年11月10日 17時27分 公開
[林信行,ITmedia]

 今年のクリスマス商戦、ノートPC市場ではIntel Core 2 Duo搭載モデルが最もホットなアイテムになりそうだ。このセグメントは高性能を売りにした高価な製品が多いが、思わぬメーカーがロープライス、ハイバリューの戦略を仕掛けてきた。

 アップルコンピュータは11月8日、ハイエンドのMacBook Proに続き、エントリーのMacBookもCore 2 Duo化に踏み切っている。そのMacBookについて同社プロダクトマーケティングディレクター服部 浩氏に話を聞いた。

Core 2 Duoノートで最強のバリュー!?

――新しいMacBookの強みは、ズバリ何でしょう。

服部 今年の冬のPC商戦では「Intel Core 2 Duo」が重要なキーワードの1つになっていると思います。新しいMacBookにはこのCore 2 Duoを採用しましたが、現在の価格帯でこれほど価値を持つノートPCが買えるのはアップルだけだと自負しています。

――確かにやや性能が劣るT5500(1.66GHz)なら近い価格の他社製品もありますが、T5600(1.83GHz)やT7200(2.0GHz)を搭載するモデルは20万円台の製品が中心ですね。

服部 今回はこのCPUの更新に加え、上位2モデルは標準搭載メモリが1Gバイトになり、さらにSuperDriveが2層書き込みに対応しました。また、新たにCTOで200GバイトのHDDも選べるようになっています。

 こうした機能強化をしながらも、最下位のモデルだけ、わずかばかり(5000円)値上がりしただけで、上位2モデルは従来のCore Duo搭載モデルと同じ価格で提供できました。

新MacBookのテーマは「よりスマートに、そして速く。すべてができるMacBook」。注目ポイントは、Core 2 Duoの採用、標準メモリの倍増、HDD容量の強化とCTOオプションの拡充、そしてDL仕様になったSuperDriveの4点だ(写真=左/中央)。それでいて上位2モデルの価格は据え置きになっている(写真=右)

――実際、前モデルと比べて性能はどれくらい違うのでしょうか。

服部 弊社が行ったベンチマークテストでは、Intel Core Duo搭載の前モデルに比べて25%高速という結果が出ています。

――この発表でMacのノートは、ついに全モデル64ビットCPU化を果たしたことになりますが、公式サイトでは、あまり64ビットということについて触れてないですね。

服部 現時点では64ビットだからどうだ、といったメリットはあまりありませんからね。64ビット対応のアプリケーションも、科学計算などの専門分野に関するものが中心ですし、ノート型ではメモリ搭載容量のメリットも出しにくい。そういったこともあって、あえて64ビットということは売りにしていません。

――これは来年、64ビットCPUへの最適化が進んだMac OS X(Leopard)が出てくることで状況は変わるのでしょうか?

服部 ご存知の通り、アップルには将来製品に関するコメントはできないというポリシーがあり、残念ながらその点については答えられません(笑)。

――それにしても、25%の高速化では、初代MacBookを持っている人が買い替えるほど魅力はなさそうだと感じてしまいますが……。

服部 確かにそうですね。弊社でも初代機からの買い替えは想定していません。むしろそれ以前のiBookを使っていたユーザーや、まだMacを使ったことがないユーザーの方々に触っていただきたいと思っています。

――iBookと比べるとどれくらい性能アップしているのですか?

服部 1.42GHzのPowerPC G4を搭載したiBookとの比較では6倍以上です。整数演算性能で6.9倍、浮動小数点演算で7.6倍。また、12インチ液晶搭載のPowerBook G4(1.5GHz)と比べても、それぞれ6.4倍、7倍高速という結果が出ています。これらの旧機種をお使いの方は、最新MacBookに移行するメリットを強く感じることができるのはずです。

2.0GHz Core Duoを搭載する前モデルに比べて25%ほど高速化した(写真=左/中央)。また、iBook G4と比較すると6倍以上も性能が向上している(写真=右)
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