さっそく新型「iPod nano」に触ってみたAppleイベント現地リポート(1/2 ページ)

» 2009年09月10日 07時18分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 米Appleのスティーブ・ジョブズCEOのステージ復帰で沸いた同社スペシャルイベントだが、ジョブズ氏による恒例の「One more thing...」のかけ声とともに登場したのは新型「iPod nano」だった。ここでは、このiPod nanoにフォーカスして発表内容をリポートしていこう。

スペシャルイベント会場となったYerba Buena Center for the Arts。開場前から多くの報道関係者が集まって待機していた(写真=左)。カメラチェックにも余念なし。ステージ復帰がウワサされる“あの人”の登場をいまかと待ち受ける(写真=右)

ついにスティーブ・ジョブズ氏が登場。病気療養で休業していた経緯を説明しつつ、すべてのAppleファンや関係者、従業員に対して感謝の念を述べる(写真=左)。いきなりで恐縮だがここでは「One more thing...」から。今回の目玉発表は何か……(写真=右)

One more thing...は「ビデオカメラ」?

 ほかのiPod製品群がストレージ容量追加や価格引き下げなどでマイナーチェンジ感が強いのに比べ、iPod nanoは「iPod」という音楽プレーヤーの使い方そのものを変えるくらいのアップデートが施されている。ステージ上でジョブズ氏は「One more thing...」と恒例のフレーズを口にした後、聴衆に「Video camera」というキーワードを提示して語りかける。動画がインターネットでの人気コンテンツであり、それを手軽に利用できる環境が必要だ、と。その問いかけに対する答えが新型「iPod nano」だ。

Video camera? ジョブズ氏はYouTubeを例に、1日あたり10億のビデオ再生が行われるほど動画がインターネットで人気コンテンツを示す(写真=左)。だが、安価なビデオカメラといえども、それほど安くないというのが同氏の意見だ。もっと手軽にビデオが撮影できて、しかもタダ同然でオマケのように利用できればどうだろう?(写真=中央/右)

 一見すると前モデルの第4世代iPod nanoと大差ない新型nanoだが、筐体裏にはカメラとマイクが内蔵されている。また筐体に隠れて見えないが、スピーカーも内蔵しており、動画再生時には映像とともに筐体そのものがスピーカーとして機能する。つまり、新型nanoではiPodを音楽プレーヤーとしてだけではなく、動画の記録と再生を両方楽しめるマルチプレーヤーとして利用してほしいというのがそのメッセージだ。どこへでも持ち運べる小型のnanoならではのメリットだろう。撮影した動画は自宅に戻ってPCまたはMac内のiTunesに接続すれば、そのままインターネットへとアップロードしてYouTube経由で共有することもできる。

そこで登場したのがiPod nano。一見すると現行モデルと外見上は大差ないが……(写真=左)。本体をひっくり返してみると、そこには見慣れない装備がついている。これはカメラとマイクだ(写真=中央/右)

矢印がよく分からない位置を指しているが、これは本体にスピーカーが内蔵されていることを示している。詳細は不明だが、本体そのものがスピーカーとして機能し、動画再生時の音声再生を実現する(写真=左)。カメラを内蔵しただけで本体はiPod nanoそのもののため、手軽に持ち運べるのもメリット(写真=中央)。動画を撮影しているところ。本体の向きはどちらでもかまわないが、横方向のほうが持ちやすいようだ(写真=右)

 機能的にみれば、iPod shuffleで搭載された音声スピーチ機能のVoiceOverや、今回発表されたばかりのiTunes 9の新機能「Genius mix」にも対応し、iPodシリーズの中でも最も充実した機能アップデートが施された製品となった。Nike+への対応のほか、マイク内蔵を生かしてボイスメモ機能も標準搭載している。

撮影した動画はiTunesで取り込んですぐにインターネットへアップロード(写真=左)。先ほどiPod nanoで撮影した動画がそのままYouTubeで確認できる(写真=中央)。新型nanoではiPod shuffleに搭載されたVoiceOverによるスピーチ機能にも対応。楽曲を読み上げる(写真=右)

iTunes 9の新機能「Genius mix」にも対応(写真=左)。FMラジオ受信もできる(写真=中央)。iPhone OS 3.0以降で標準サポートされたボイスメモ機能にも対応。マイク内蔵なので本体だけで録音できる(写真=右)

 筐体は7種類のレインボーカラーに加え、シルバーとブラックの計9種類が用意されている。価格は8Gバイトモデルが149米ドル(1万4800円)、16Gバイトモデルが179米ドル(1万7800円)となっている。「Available Today」ということで本日よりの購入が可能だが、後ほどサンフランシスコ市内のApple Retail Storeで確認したところ、製品の入荷は9日の午後遅くになるとの説明を受けた。タイミング的に日本では9月10日の早い時間での入手が可能だろう。

Nike+にも対応。エクセサイズにnanoを活用しよう(写真=左)。機能の総括。マイク、スピーカー、カメラを内蔵しただけで使い方の幅が一気に広がった(写真=中央)。nano chromaticなレインボーカラーバリエーションも健在。Available Todayで本日より販売開始。ちなみに米国店舗では9日夕方以降の取り扱いになるそうだ(写真=右)

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