> 特集		2003年5月26日　05:32 PM 更新

特集「Think」って何？
Thinkは細部に宿る〜ThinkPad G40の場合〜（1/3）

Think Pad G40は、IBMで初めてデスクトップ向けのCPUを搭載したハイコストパフォーマンスノートPC。他のノートPCには見られない特徴を有する本機をレビューする

　日本アイ・ビー・エム（IBM）の「Think Pad G40」は、デスクトップ向けのCPUを搭載したハイコストパフォーマンスノートPC。さらに、初めからキーボードに傾斜が付けられているなど、他のノートPCには見られない特徴を有している。最速モデルとなる「ThinkPad G40　2388-5EJ」（Pentium 4/3.0GHz搭載）をレビューする。

高速・コストに優れるThinkPad G40

　すでに製品発表記事などで知れ渡っているように、「ThinkPad G40」は重量3.5キロ超のデスクトップ代替オールインワンノートPCである。しかし、これを従来からある普通のオールインワンノートPCと一緒に考えてはいけない。「ThinkPad G40」には、「ThinkPad G40」だけの大きな特徴が備えられているのである。

　まずは「ThinkPad G40」のCPUであるが、すべてのモデルにデスクトップPC向けのCPUが搭載されている。一般的に、ノートPCには「モバイルなんたら　○MHz」というCPUが搭載されるのが普通だ。しかし、「ThinkPad G40」にはデスクトップ向けCPUが搭載されている。しかも、今回レビューする「ThinkPad G40　2388-5EJ」には、Pentium 4/3.0GHzという、現時点における最速CPUが搭載されているのだ。

　デスクトップ向けのCPUを使用する最大のメリットは、第一に高速であること。続いて、CPUの価格が安いとなる。つまり「ThinkPad G40」は、非常にコストパフォーマンスに優れたノートPCといえるわけである。

　ただし、デスクトップ向けCPUを搭載しているノートPCは他社からも数モデル発売されている。これだけでは特に大騒ぎするほどのことではない。「ThinkPad G40」の何よりの特徴は、その筐体デザインにある。以下の写真を見てもらえばわかるように、「ThinkPad G40」のキーボードは初めから傾斜が付けられているのだ。要するに、本体そのものが傾いているのである。

「ThinkPad G40」は、本体そのものに傾斜がある

　このようなノートPCは今までに存在しなかったし、正直なところ思いつきもしなかった。なぜ、このようなデザインになっているかというと……、それは快適なタイピング環境を生み出すためである。このようなユニークな筐体が実現されるまでの経緯も気になるところだが、そちらは次回「G40開発者インタビュー」を参照していただくとして、本レビューでは製品そのものについて紹介していこう。

初めから傾斜が付けられたキーボード、斬新な筐体デザインが使いやすさを生み出す

　さて、ここからが本題のレビューである。最初に、その筐体について検証していこう。先にも述べたように、「ThinkPad G40」の筐体は前面に傾いている。液晶を開いた状態では、一番奥の高さが約4.6cmであるのに対し、最も手前では約2.6センチしかない。つまり、2センチぶんの傾斜が付けられているのである。

※ここで紹介している“高さ”は、液晶を開いた状態で「ThinkPad G40」を机の上におき、机面からの高さを計測したサイズです（底面にあるゴム足などの幅も含まれます）。なお、記載の数値は定規で測定したおおよその測定結果であり、厳密なサイズを示すものでないことをご了承ください

　当然のことながら、本体に標準装備されているキーボードも傾いている。このことは、タイピング環境に大きな改善をもたらしてくれる。もともと「ThinkPad」シリーズのキーボードは使いやすいものであったが、「ThinkPad G40」のキーボードは、さらに、さらに、使いやすくなっているのだ。ちょうどデスクトップのキーボードでスタンド立てたような感じの、非常に快適なキーボードに仕上がっているのである。

　これは少し余談かもしれないが、筆者はデスクトップPCを操作するときに必ずキーボードのスタンドを立てるようにしている。そして、万一スタンドが壊れてしまった場合は、即座にキーボードを買い換える。もちろん個人の好みの問題とはあると思うが、それくらい“キーボードの傾き”は大切な要素なのである。

　実際に「ThinkPad G40」のキーボードを使って文章などを入力してみたが、今まで試用したノートPCのどれよりも、使いやすいキーボードであったと思う。パームレスト部分の大きさなども良く考えて設計されており、長時間試用しても疲れを感じにくいキーボードに仕上がっている。

キーボードのレイアウトは従来のThinkPadと同じ

[相澤裕介, ITmedia ]

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