> レビュー 2003年6月2日 09:00 PM 更新

基本がしっかりしたインクジェット複合機の秀才
セイコーエプソン カラリオコピーCC-600PX(1/2)

製品写真
総合評価9
プリンタ機能9
スキャナ機能9
普通紙コピー9
写真コピー8
付加機能6
レイティングポリシー

評価のポイント

プリンタ機能

     価格的には2万円を切るPX-V700と同じ機構を、インクジェット複合機にそのまま組み込んだ形。速度の面では最高とは言い難いが、普通紙でのコントラストの高いカラー印刷、それに印刷後の耐久性の高さなどはさすが。全色顔料系インクという、他製品にはない特徴は、実用性が重視される複合機の使われ方にもマッチしている。

スキャナ機能

     1200dpiという解像度スペックもさることながら、CCDセンサー採用で光量十分、被写界深度十分など、使い勝手や用途の広さという点でも優秀なスキャナ部である。青が少々強調されることや、トーンカーブが立ちすぎの面もあるが、使いやすい「EPSON TWAIN」を用いることで細かい調整も行える。

普通紙コピー

     彩度が多少強調される傾向はあるものの、普通紙コピー時の画質は頭一つ抜けた印象。カラーコピー時には、濃い色の背景に別の濃い色の文字が乗るようなケースもあるが、その境界線でも滲みは全く見られない。

写真コピー

     本機は全色顔料系インクを採用しているため、一般的な光沢紙、写真用紙への印刷をサポートしていない。最もマッチする用紙は純正の「PM写真用紙<半光沢>」で、それ以外の写真用紙での画質はさえない。しかし、用紙さえ半光沢を利用すれば、他のエプソン製インクジェット複合機と同様に美しい写真コピーが得られる。縁なし印刷機能を駆使した多彩なコピーレイアウトも魅力。

付加機能

     縁なしプリントのサポートと、それを利用した多彩なコピー機能は高く評価したいが、ダイレクトプリント機能などはなく、純粋にスキャナ、プリンタ、コピーを提供するのみ。

総合評価

 エプソンのブランドイメージから、写真に特化した製品を思い浮かべると肩すかしを食らう。しかし、そうしたイメージを捨てて、画質と実用性のバランスを考えるならば、本機は非常に良い選択肢となる。本機はインクジェット複合機の基本機能のみをサポートし、付加的な要素は何もない製品ではある。しかし、インクジェット複合機の本質はスキャナとプリンタであろう。本機はその両方で、単体製品にも匹敵する性能を実現している。

ベンダー製品担当者からの一言

「普通紙くっきり」を楽しめる、コピー×プリンタ×スキャナの複合機カラリオ。4色オール顔料のPXインクテクノロジーを搭載し、色あせにくくキレイが長持ちします。PXインクは耐水性、耐光・耐ガス性にも優れており、水に濡れてもにじみにくく、長期間の保存が必要な資料などのコピーにも適しています。(エプソン販売 経営企画部 広報 井上正臣)

主要スペック

インク構成4色(独立型インク)
最大解像度1440×720dpi
最小ドロップサイズ3pl
スキャナ光学解像度1200×2400dpi(各色16ビット)
センサー6ラインカラーCCD
コピー倍率25−400%
インタフェースUSB1.1
サイズ(W×D×H)453×434×254ミリ
重量約9キロ

[本田雅一, ITmedia ]

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