> レビュー 2003年6月2日 09:00 PM 更新

縁なしプリントができる複合機では最も安価!
キヤノン PIXUS MP5(1/3)

製品写真
総合評価6
プリンタ機能7
スキャナ機能6
普通紙コピー7
写真コピー6
付加機能5
レイティングポリシー

評価のポイント

プリンタ機能

     本機に採用されているプリンタ部は、低価格4色インク機のスタンダードとも言える存在だった「BJ S330」と同じモノ。メカ部分も含めて性能はほぼ同じようだ。同じ基本設計は現在も単体プリンタの中でも生きており、本機も4色機としては水準以上の品質はクリアしている。

スキャナ機能

     1200dpiのスペックを持つスキャナ部は、キヤノン独自のCISであるLEIDセンサーを用いたもの。CISの割には光量も多めだが、さすがに被写界深度の浅さは、ぬぐい去ることができない。画質面でもCCDセンサー採用機と比較するとダイナミックレンジが狭め。

普通紙コピー

     色味は元原稿に忠実で強調が少なく、普通紙へのカラーコピーの印象は非常に良い。普通紙におけるカラー印刷のコントラストも十分だ。黒インクも濃く、全体的に締まった雰囲気になる。

写真コピー

     普及価格の4色機としては、プリンタ自体の画質は高いが、コピーとなるとスキャナ部のダイナミックレンジの狭さなのか、プリンタの性能を100%生かせていない。ただ、縁なしプリント機能を含む多彩なコピーモードは魅力。

付加機能

     縁なしプリント機能はあるが、それ以外は特別な機能はなく至ってシンプル。その代わりに価格を抑えたローエンド機である。

総合評価

 昨年末、ダイレクトプリント機能付きインクジェット複合機として人気を博した「PIXUS MP10」の廉価版。ダイレクトプリント機能は利用できないが、そのほかの点については、ほぼMP10と同じと考えていいだろう。普通紙への印刷画質や複合機としての基本機能、あるいは操作性などについては全く心配無用。操作パネルはこのクラスの製品としては操作感もよく、わかりやすい。画質面でも、特記すべき点はないがインクジェットプリンタとしてのベーシックなラインはクリアしている。

 縁なしプリント機能を活用した多彩なコピーモードは大きな魅力だ。写真印刷時に注目される縁なしプリント機能だが、一般的な文書やカタログをコピーする際にも、ギリギリまできちんと複写できる点はありがたい。写真コピーに適したコピーモードもあり、コピー機能の多彩さはローエンド機種の中でもトップ。設置面積も比較的小さい。

 その一方、筐体は多少背が高め。スキャナ部のLEIDセンサーはCISの一種で被写界深度が浅く、光量も限定的。

ベンダー製品担当者からの一言

 「PIXUS MP」シリーズのエントリーモデルで、モノクロ14枚/分、カラー10枚/分の印刷速度と高密度ヘッドによる最高2400dpi×1200dpiの高画質を実現するとともに、完全フチなし印刷にも対応しています。(キヤノン販売 広報部 徳重義弘)

主要スペック

インク構成4色
最大解像度2400×1200dpi
スキャナ光学解像度600×1200dpi(各色12ビット)
センサーCIS
コピー倍率25−400%
インタフェースUSB1.1
サイズ(W×D×H)396×413×256ミリ
重量約7.3キロ

[本田雅一, ITmedia ]

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