ベールを脱ぐMac OS X “Panther”WWDC 2003の目玉はやはり、Pantherだ。ウィンドウ管理のための新手法“Expose”やAES暗号化を使ったコンテンツ保護、iChat AVなどの目新しい機能が多いが、WindowsやUNIXとの親和性を高める新機能も多数用意されている。
WWDC 2003の基調講演で、Apple CEOのスティーブ・ジョブズ氏はMac OS Xの次期メジャーリリースであるPantherの詳細を明らかにした。Pantherは年末までにデビュー予定で、100以上の新機能を持つ。価格は129ドル。 新バージョンのハイライトとしては、ジョブズ氏が「ユーザーセントリック」と評するFinderインタフェースの向上がある。インタフェースはユーザーがよく使うフォルダ、ハードディスクドライブ、ネットワークサーバ、iDisk、リムーバブルメディアを一カ所の好きな場所に置くことができる。ジョブズ氏はこれを、iTunesのプレイリストのようなものだと説明した。 また、検索速度の向上、カラーラベル、Windowsネットワーク環境とのより緊密な統合も特徴だ。PantherではActiveDirectoryとWindowsサーバ上のSMBベースのホームディレクトリ、Windows環境とプリンタ共有が可能になっている。 Expose(最後のeは上にアクサンテギュ記号が付く)もPantherの新機能だ。ユーザーは開かれたウィンドウすべてを見ることができ、その中のどれでも最前列に持ってくることができる。Exposeでは重なり合ったウィンドウを整頓された状態に並び替えることもできる。 FileVaultはホームディレクトリのコンテンツを128ビットAES暗号化により保護する。ジョブズ氏の説明によれば、これはモバイルユーザーからの要請で追加した機能で、ノートPCが紛失したり盗難に遭った時でもデータの中身を保護するためのもの。ファイルの暗号化、復号化は作業中にも実施可能で、仕事を中断せずにコンテンツにセキュリティをかけることができる。セキュリティ面での強化に関しては、MicrosoftおよびCiscoネットワーク用のIPSecベースのVPNも追加されている。 MailはSafariベースのレンダリングエンジンによりHTML表示が強化された。Pantherで追加されたものとしては、iChat AVがある。インスタントメッセージング技術の新バージョンで、オーディオサポートだけでなく、フルスクリーン、フルモーションのビデオチャットをブロードバンド上で実現する。iChat AVはMac OS X 10.2ユーザーには29ドルで提供されるが、Pantherにはバンドルされるという。ジョブズ氏は、「アップグレードのためのインセンティブだ」と説明した。これは、Apple製の新しいiSightビデオカンファレンス用カメラでも利用できる。 PixletはQuickTime用の「映画スタジオ品質」のコーデックで映画製作者向けのもの。AppleはこのテクノロジーをPixarとの共同開発した。Appleによれば、HD品質の自然なビデオがMacで実現できるという。 Appleが.Mac有料ユーザーに提供しているインターネットベースのストレージサービス、iDiskはデスクトップの一部として統合された。iDiskはローカルキャッシュされることで、アクセス速度が向上し、.Macサーバに接続されたときに同期を取る仕組みになっている。 FAX機能も組み込まれた。すべての印刷パネルからアクセスでき、Pantherでは送受信も可能。カバーページもサポートする。 Pantherのもう一つの新機能に、Font Bookがある。システムレベルのフォント管理システムで、ダブルクリックでフォントのプレビューができ、iTunesのようなインタフェースにより検索、使用・非使用の選択が可能だ。 MacのPDFビュワーであるPreviewは、MacのPDF統合化をさらに一歩先に進めた。Previewは「世界最速のPDFリーダー」であるとし、検索、テキスト選択、コピー、URLサポート、そしてPDF 1.4フォーマットのサポートを実現している。Quartzレンダリングエンジンの機能を使い、色空間の変換、イメージサンプリング、圧縮を行う。 Pantherのその他の強化ポイントとしては、NFSの性能アップ、オープンソースプロジェクトにアクセスするためのPortsマネジャー、拡張されたKerberosサポート、IPv6ネットワークの統合、PythonプログラムからQuartzグラフィックへのアクセスなど。また、fast user switchingにより、起動しているアプリケーションを終了したり、システムから完全にログアウトせずにユーザーを切り替えることが可能となっている。 [Peter Cohen, IDG Japan] Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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