> ニュース 2003年6月24日 07:16 AM 更新
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「最速パーソナルコンピュータ」Power Mac G5がデビュー

Appleは噂通り、Power Mac G5をWWDC基調講演でデビューさせた。久々にIntelマシンとのスピード比較を復活させ、最速のPentium 4、デュアルXeonに負けないシステムであることが強調された。

 Appleは6月24日、「世界最速のパーソナルコンピュータ」と題したPower Mac G5を発表した。64ビットプロセッサ、1GHzのフロントサイドバス、最大8Gバイトまでのメモリ、そしてプロセッサ速度は最高で2GHzとなっている。Appleによれば、ベンチマークテストでは最速のPentium 4とデュアルプロセッサのXeonベースPCシステムを軽く打ち負かすとしている。

 このシステムには400MHzの128ビットDDR SDRAM(スループットは6.4Gバイト/秒)、64ビットPCI-X拡張スロット(133MH×1、100MHz×2)、AGP 8x Proグラフィックスロットが搭載されている。Appleによれば1GHzのフロントサイドバスは16Gバイト/秒のバンド幅を持つという。

 新しいPower Macは外観も変わっている。新デザインでは目を見張るアルミニウスケースで、独立した9個のファンとコンピュータ制御による冷却システムにより、新マザーボードアーキテクチャーから排出される熱を処理する。Apple CEOのスティーブ・ジョブズ氏は、9個もファンがあるにもかかわらず、新アルミニウム筐体は前モデルであるPower Mac G4システムよりも通常気温で30dBA、騒音レベルが低減されていると、Worldwide Developers Conference (WWDC) の基調講演参加者に向かって語った。

 Power Mac G5の心臓部であるPowerPC G5プロセッサはIBMの開発になるもので、32ビットアプリケーションをフルサポートする64ビットマイクロプロセッサである。215の並列命令を実行する超並列アーキテクチャーを持ち、浮動小数点ユニットを2基、そして最適化されたVelocity Engineを備える。このチップは対称型マルチプロセッシング(SMP)をフルサポートしており、Appleの言う「最速のパーソナルコンピュータ」のキーポイントとなっている。

 新しいPower Mac G5は3.0GHz Pentium 4システムと3.06GHzデュアルプロセッサXeonシステムとSPEC CPU2000ベンチマークテストで比較された。Appleが計測した結果では、4種の主要ベンチマークテストのうち、3種でG5が勝った。シングルプロセッサの浮動小数点演算ではPentium 4を21%の差で打ち負かした(整数演算では10%の差で負けた)。デュアルXeonシステムとの比較では浮動小数点演算で41%の差を、整数演算では3%の差をつけた(ベンチマークの詳細はAppleのサイトに掲載されている)。

 新システムは1.5GbpsのシリアルATAインタフェースが2基搭載され、グラフィックカードはNvidia GeForceFX 5200とATI Radeon 9600 Pro graphicsからの選択(ATI Radeon 9800 ProはBTOオプション)となっている。

 さらに、このプロ向けデスクトップシステムにはギガビットEthernet、FireWire 800×1、FireWire 400×2、そしてMacintoshでは初のUSB 2.0ポートが3基搭載されている。また、光学デジタルオーディオ入出力も追加された。アナログオーディオ入出力とヘッドフォンジャックも搭載され、AirPort Extremeにも対応している。Bluetoothカードはオプションで対応している。

 Appleによれば、Power Mac G5は3つのモデルがある。

  • 1.6GHzシングルプロセッサモデル(1999ドル):800MHzフロントサイドバス、256Mバイト 333MHzデュアルチャンネル(128ビット)DDR RAM(最大で4Gバイト)、80GバイトシリアルATAハードディスク、Nvidia GeForceFX 5200 Ultra(64MバイトDDR)、33MHz PCIスロット×3、4倍速SuperDrive。
  • 1.8GHzシングルプロセッサモデル(2399ドル):900MHzフロントサイドバス、512Mバイト 400MHzデュアルチャンネル(128ビット)DDR RAM(最大で8Gバイト)、160GバイトシリアルATAハードディスク、Nvidia GeForce 5200 Ultra(64MバイトDDR)、PCIスロット×3(64ビット133MHz×1、64ビット100MHz×2)、4倍速SuperDrive。
  • 2.0GHzデュアルプロセッサモデル(2999ドル):1GHzフロントサイドバス、512Mバイト 400MHzデュアルチャンネル(128ビット)DDR RAM(最大で8Gバイト)、160GバイトシリアルATAハードディスク、ATI Radeon 9600 Pro(64MバイトDDR)、PCIスロット×3(64ビット133MHz×1、64ビット100MHz×2)、4倍速SuperDrive。

 いずれのシステムも8月に出荷され、Mac OS X 10.2を搭載する。

 日本での価格は、それぞれ、24万4800円、29万4800円、36万4800円となっている。



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[Peter Cohen, IDG Japan]

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