東芝dynabook C8――“白いヒツジ”の中身はオオカミになったか？（1/4）

白い筐体が特徴の東芝dynabook C。その最新シリーズ「C8」で、CentrinoテクノロジとDVDマルチドライブを搭載した最上位モデル「C8/213LDDW」のファーストインプレッションを紹介しよう。

　東芝のdynabook Cシリーズが新しくなる。発売は6月中〜下旬。パールホワイトとシルバーを基調としたスタイリッシュなデザインはそのままに、パフォーマンスが大幅にアップ。CPUやメモリタイプ、ハードディスク容量、光学ドライブ、通信機能などの違いにより、4モデルがある。今回は、そのC8シリーズの最上位モデル「dynabook C8/213LDDW」のファーストインプレッションを紹介しよう。

「dynabook C8/213LDDW」（クリックすると拡大します）

外観はC7を継承、中身は大幅グレードアップ

　dynabook C8/213LDDWの外観は、先代のC7シリーズと同じだが、その筐体に納まるハードウェアやモジュールは大幅に強化されている。Cシリーズは白いボディが特徴だが、言うなれば、外観は白いヒツジだが、中身はオオカミと言ったところだ。

天面：パールホワイトとシルバーのカラーリングは従来と同じ。優美な見かけによらず、剛性が高く丈夫な筐体（クリックすると拡大します）

　まず、CPUは、高性能と低消費電力がウリのPentium M/1.30GHzを採用。チップセットにグラフィックス機能統合のIntel 855GMを搭載した。さらに、IEEE802.11b準拠のインテル製無線LANモジュール「Intel PRO/Wireless 2100」を内蔵。いわゆるCentrinoロゴプログラムの対象製品になっている。

　前モデルは、モバイルPentium III-M/1.2GHzだったから、周波数（クロック）だけで見ればほんの100MHz高くなっただけともとれる。だが、インテルがクロック至上主義を特にモバイル分野では改め、新しい基準を打ち出したのは周知の通り。ポイントは高効率により、ハイパフォーマンスとロングバッテリーライフの二兎を追ったことだった。

　Pentium Mは、モバイルPentium 4-Mの1.5〜1.6倍のパフォーマンスがあるといわれている。とすれば、Pentium M/1.3GHzのパフォーマンスは、モバイルPentium 4-M/2.0GHzに相当する。一方、TDP（Thermal Design Power：熱設計消費電力）は、モバイルPentium 4-M/2.0GHzが32ワットに対し、Pentium M/1.3GHzの22ワットと、10ワットも小さい。

　また、モバイルPentium III-M/1.2GHzとPentium M/1.3GHzのTDPは同じ22ワットだが、Pentium M/1.3GHzのほうが同一のタスクであればずっと高速に処理できるため、トータルで見れば消費電力は低くなる計算だ。加えて、スタンバイ時の消費で見れば、モバイルPentium III-M/1.2GHzの消費電力を下回る。

　メモリ容量は、256Mバイトと従来同様だが、メモリタイプはPC133対応のSDRAMからPC2100対応のDDR SDRAMにパワーアップ。とはいっても、今どきのノートPCならこれが標準的なレベルだろう。メモリスロットは2スロットで、最大1Gバイトまで増設できる。ただし、ネジ1本でメモリカバーを外せるなど、メモリモジュールを増設しやすい構造とはなっていない（キーボードを外すが必要ある）。

　グラフィック機能は前記のIntel 855GMチップセット内蔵で、グラフィックメモリはメインメモリから最大64Mバイトを使用可能。ちなみに、前モデルも統合チップセットだったが、4分の1の16Mバイトまでしか利用できなかった。

　もちろん、外付けのグラフィックスチップではないから、高スペックが要求される最新の3Dゲームをプレーしようといった目的には向かない（こういった用途で同社のノートPCを選ぶならハイエンドユーザー向けのDynaBook G8だろうが、本当にそうした用途が中心なら素直にデスクトップPCを選んだほうがいいだろう）。そういった“特殊”な用途でなく、インターネットや電子メール、ワープロといった一般的な用途であれば、C8のグラフィックパフォーマンスは十分なものだ。

[高柳政弘, ITmedia ]

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